そんなには褒めないよ。映画評

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「ピアソラ 永遠のリベルタンゴ」プラベートフィルムは多いが伝記的映画を期待すると残念

冒頭の海の映像を背景にしたカットがいいなあと思いつつ、何だろう?と思っていましたら、2017年がピアソラの没後25年ということでアルゼンチンで回顧展があり、(多分)その会場のエントランスから階段を上がったところのイメージビジュアルじゃないかと思います。映画の途中に、展覧会のキュレーター(らしき人)が会場セットの説明をしているシーンがあり、映画のラストシーンはその会場に立つピアソラの息子ダニエルでした。

 

ピアソラ

公式サイト / 監督:ダニエル・ローゼンフェルド

 

なぜ「海」かは、この映画のタイトル(英題)が「Piazzolla, the Years of the Shark」であるように、ピアソラがサメ釣りが好きだったことからきているようです。サメ釣り? とは思いますが、映画の中でも実際に小型のサメを釣っているシーンがありました。

 

さすがに日本語タイトルを「ピアソラ サメの年」とするわけにもいかず、また、日本ではピアソラと聞きますと「リベルタンゴ」を思い浮かべる方が多いだろうということで、「永遠のリベルタンゴ」となったんだと思います。

 

ただ、映画は「永遠のリベルタンゴ」といった印象ではなく、息子ダニエルの目線でのピアソラという印象で、実際、「リベルタンゴ」もイントロのリフレインの部分だけでメロディーは使われていません。

 

それに、タンゴの革命児と言われたというナレーションが入ったりしますが、それに対して、なるほどと思えるようなシーンもなく、全体としても映画の焦点は定まっていません。

 

そもそもの映画作りの原点が、息子ダニエルからダニエル・ローゼンフェルド監督への申し出だったらしく、確かにホームビデオ的な貴重な映像はありますが、伝記的なピアソラを知りたいと思って見ますとかなり残念な印象ではあります。

 

タンゴにも精通し、ピアソラについてもある程度知っていて、彼のプライベートなことを知りたいと思えばそれなりに楽しめる映画だとは思います。さらにスペイン語やフランス語が理解できればさらによし、字幕ではわかりにくい点が多いですね。

 

ヨーヨー・マ プレイズ・ピアソラ

ヨーヨー・マ プレイズ・ピアソラ