「鳩の撃退法」ネタバレレビュー・あらすじ:藤原竜也×西野七瀬、男女バディーものでいけるんじゃない

この映画を見た理由は「鳩の撃退法」のタイトルにつられただけです(笑)。それだけ映画のタイトルは重要ということでもあります。

原作者の佐藤正午さんの名前は見聞きはしていますが読んだことはなく、同名タイトルの原作も知らなかったということです。もちろん見る前にはざっと公式サイトを覗きましたのでわかって見てはいます。

ああもうひとつ、見てみようと思ったのは藤原竜也さんが主演ということもあります。

 

鳩の撃退法

鳩の撃退法 / 監督:タカハタ秀太

 

 

鳳凰が鳩になる時 

さらに「鳩」の話ですが、映画の中で「鳩」は1万円札の「鳳凰」からの比喩だと言っており、つまり、本物は「鳳凰」だが、偽札だから「鳩」ということのようで、なんだ、それ…なんて、やや情けない思いを抱きながら見ていましたが、あらためて一万円札の図柄を調べてみましたら、何と! ひとつ前の一万円札の裏面の鳥はまるで鳩にも見える「雉」で、それも二羽います。

 

そういえば、二羽の鳩がどうこうとか言っていました。

 

f:id:ausnichts:20210831103300j:plain

日本銀行

 

これか!? と思いましたが、原作が発表されたのは2014年11月で、すでに鳳凰版の一万円札(2004年)が発行されて10年経っていますので関係はないかもしれませんね。

 

尻すぼみのわけは?

で、映画ですが、序盤はいろいろなものが登場し、どうなるんだろうと興味もわき、期待を持たせられます。しかし、中盤になりますと中だるみ、そして終盤は尻すぼみです(ペコリ)。

 

始まりは謎解きものとしてスタートしながら、中頃になりますと、その謎は売れない作家がただ思いつくままに取っ散らかしたものだとわかってきますし、後はその作家と編集者でこうすれば辻褄が合うんじゃない?とオチをつける映画が面白くなるわけがありません。

 

それに、劇映画を見ているのに、その中で「この物語は小説<ウソ>か現実<ホント>か」とやられても、正直どっちでもいいから面白くしてくれと思います。

 

原作を読んでいませんが、映画的なエンターテインメントとして再構成し直す方法もあったんじゃないかと思います。

 

ネタバレあらすじとちょいツッコミ

物語の大枠は、売れなくなった作家が3年ぶりに新作を書き、その内容が本人の過去1年の実体験そのままであり、そのオチが現在軸の進行形でついていくという流れです。

 

なお、この映画(原作?)、たくさん伏線もどきが散りばめられていますが、以下重要ではないものは書いていません。

 

売れなくなった作家津田(藤原竜也)

f:id:ausnichts:20210831183633j:plain


現在軸、売れなくなった作家津田は高円寺のバーでバーテンダーとして働いています。津田は、3年ぶりに書いた、まだタイトルのない原稿を編集者の鳥飼(土屋太鳳)に読ませます。

 

一年前の富山

津田は富山でデリヘルドライバーをしています。古本屋房州の主(ミッキー・カーチス)とはとても親しいようです。津田は『ピーター・パンとウェンディ』を買います。

 

いきなりツッコミですが、冒頭のシーン、津田が倉田(豊川悦司)の手下にボコボコにされたのはなぜだったんでしょう? なにか見逃しているかもしれません。

 

その年は閏年です。これも直接の意味はありませんが、余計な1日には余計なことが起きるという意味でしょう。その2月29日の明け方、津田は、深夜営業のコーヒーショップ(ファミレス?)で、自分と同じように時間つぶしのために本を読む幸地秀吉(風間俊介)と出会い、話をします。

 

津田は、作家としての洞察力で、秀吉が水商売の人間であり、深夜に家に帰って寝ている妻や子どもを起こすことを避けるために時間をつぶしていると見抜きます。秀吉はその通りだと言い、結婚した時、妻は他の男の子どもを妊娠していたと語ります。

 

このシーン、説明台詞シーンなんですが、結構うまくつくられており、また藤原竜也さんのキャラがとてもよくて説明シーンでも気になりません。

 

秀吉(風間俊介)一家、失踪する

f:id:ausnichts:20210831183745j:plain


その日の朝、秀吉は2本の電話を受けます。1本は店の従業員から3万円を前借りしたいとの申し出で、わかったと答えます。もう1本は倉田からで、今日店に届け物があるから受け取っておけとの指示です。秀吉は倉田が経営するクラブを任されています。

 

シーンは前後しますが、先に書いておきますと、その日、秀吉は次に書く理由で店に出ません。夕方、電話の従業員が出勤し、手提げ金庫に入った封筒入りの3万円を秀吉が用意したものと勘違いして持っていってしまいます。

 

その3万円は倉田が秀吉に受け取っておけと命じたものであり、偽札です。それが店の従業員 -> 彼氏 -> デリヘルの女 -> 省略(どうでもいい(笑)) -> 『ピーター・パンとウェンディ』に挟まれて古本屋へと巡り巡っていきます。

 

この流れは本当にどうでもいい話です。それよりも、偽札の3万円を持ってきたやつは秀吉に渡さないで置いていったということになるわけで、まずもって、これではミステリーというよりもコメディーでしょう。

 

秀吉が店に出なかった理由です。秀吉は家に帰り、多分眠って、起きた夕方のことだと思いますが、妻が子どもができたと言います。秀吉は誰の子どもだ!? とパニックに陥ります。秀吉はひとりでどこかへ行ってしまいます。

 

そして、何日か後かはわかりませんが、秀吉一家3人が行方不明との新聞記事が出ます。

 

秀吉の妻、奈々美(佐津川愛美)

この奈々美が一番ミステリアスな存在です。というより、手抜きされているだけなんでしょうが、どういう人物かよくわかりません(笑)。

 

津田は、デリヘル女優クラブの加賀まりこから男の輸送(?)を頼まれます。男は加賀まりこが入れ込んでいる郵便局員です。

 

この男は何を使って加賀まりこの元まで来たの?と思いますが、とにかく、その男を運んで降ろしますと、そこにはベンツに乗った女が待っており、その女は秀吉の妻、奈々美なんです。

 

奈々美のお腹の子どもは郵便局員との間の子どもです。奈々美は郵便局員に子どものことについて、ひと月前に秀吉とセックスしておいたから大丈夫とか言っていました。

 

ミステリアス奈々美…。

 

津田に偽札3万円が渡る

f:id:ausnichts:20210831183849j:plain


いつかわからない後日、古本屋の主が亡くなり、津田に遺品が渡ります。遺品は3000万の札束とその上にのせられた3万円です。

 

これも先に書いておきますが、3000万円は主の妻が亡くなったときの生命保険金で、それを津田に残したということです。3万円は例の偽札で、巡り巡って『ピーター・パンとウェンディ』に挟まれて古本屋にやってきて、その本が津田のものとわかっている主が3000万円と一緒に置いておいたものです。

 

津田はそのうちの1万円を使います。それが巡り巡って偽札だとわかり、東京に逃げて高円寺のバーで働き始めます。

 

3000万円と2万円をどうしたのかは忘れましたが、結局、倉田に渡っています。

 

現在軸、津田のもとに児童養護施設を運営する社会福祉法人の担当者が3000万円の寄付のお礼にやってきます。その担当者は、津田の名前で倉田から3000万円が寄付されたと話します。

 

倉田(豊川悦司)登場

f:id:ausnichts:20210831183912j:plain


話は戻って富山、倉田が店に偽札を取りに行きます。秀吉はいませんし、偽札もありません。

 

いつかは不明な日、倉田が秀吉になぜ自分で3万円を受け取らなかったと問い詰めます。秀吉は妻から妊娠を告げられたと泣きながら(違うかも)話します。

 

こういうことです。秀吉は児童養護施設で育っており、また不妊症で、倉田はそのことを知っています。

 

あるいは倉田も児童養護施設で育っているのかもしれませんが、あまりはっきりはしていません。また、倉田は奈々美のこともよく知っており、最初の子どもの相手も知っているようですがそれもはっきりしません。

 

倉田の子どもなのかと思っていましたが違いますね。とにかく、ミステリアス奈々美です(笑)。

 

津田、オチをつける

現在軸、バーで津田と鳥飼が物語のオチを考えています。

 

f:id:ausnichts:20210831183949j:plain


実際にシーンもありますが、倉田が奈々美と郵便局員を拉致し痛みつけます。それでも秀吉は子どもは自分が育てると二人をかばいます。

 

その後のシーンはありませんが、奈々美と郵便局員がダム湖に沈められるなどして殺されるオチをにおわせています。

 

バーのオーナーが津田に、さっきの客がこれを渡してくれと置いていったと『ピーターパンとウェンディー』を渡します。津田は慌てて表に飛び出します。道路の向こうに秀吉の姿があります。秀吉は津田の方を向きかすかに微笑み、そして車に乗り込みます。車には倉田が乗っています。

 

津田は「タイトル、決めた」と言い、バーに戻っていきます。

 

終わり。

 

津田(藤原竜也)と沼本(西野七瀬)

深夜営業のコーヒーショップの店員として沼本(西野七瀬)が登場します。

 

f:id:ausnichts:20210831184021j:plain


沼本は、物語としては重要な役回りではないのですが、津田とのやり取りがとても生きていて面白いです。

 

この二人のコンビはこの映画の唯一の収穫かもしれません。