そんなには褒めないよ。映画評

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「エリカ38」樹木希林企画、浅田美代子主演が売りの日比遊一監督作品

樹木希林さんが浅田美代子さんのために企画したというのが売りの映画です。ただ私は、それだけではなく、監督が日比遊一さんということもあり、(若干)興味を持った映画です。

 

エリカ38

エリカ38 / 監督:日比遊一

 

日比遊一監督の初劇映画「ブルー・バタフライ」を見たのはちょうど一年前ですね。写真家でもあるということで、前作もそうですが、この「エリカ38」も、ほぼ全編陰影にこだわった映像で撮られています。ざらついた質感にもこだわっています。

 

ただ、やはり前作同様、映画になっていないです(ペコリ)。 

 

ドラマがないということにつきます。

 

ある人物を撮った一枚のスチル写真がその人物60年の人生を表現するということはありえますし、それこそ写真家の目指すところだと思います。じゃあ、その写真を10万枚並べれば映画になるかと言えば当然のことながらそうはならないでしょう。

 

やはり、前作の記事にも書いているように、一度他のライターのシナリオで撮ってみるべきだと思います。

 

物語はネタバレなど何もなく、公式サイトのストーリーにすべて書かれています。もともとネットビジネス(映画からはわからない)でチマチマと稼いでいた渡部聡子(浅田美代子)が、平澤育男(平岳大)という根っからの詐欺師的な男(映画からはわからない)とともに、カンボジアへの援助という名目で億単位の詐欺を働きますが、平澤に逃げられ(このあたりの展開がよくわかりませんが)、聡子はタイへ金を持ち逃げし、若いタイ人に38歳と偽って恋人関係を持ち、結局、日本に送還されて逮捕されるという、ただそれだけの話、です。

 

で、映画はそれをそのままなぞっているだけです。そこにドラマなど何もありません。

 

樹木希林さんの企画どうこうは置いておいて、浅田美代子さん、私には俳優としての印象はまったくありませんが、ウィキペディアによればかなり出演作品も多いようです。

 

この映画での評価は難しいですね。やはり俳優としてよかったかどうかは映画の出来と直結していますので、映画の出来がよくない以上、俳優はよかったねとはならないわけですので、熱演のわりにはかわいそうなことではあります。

 

樹木希林さんは母親役として出演されていますが、亡くなる直前なんでしょうか、かなり体力的に弱々しく感じられます。

 

やはり、映画はドラマです。ドラマを拒否することも含めて映画はドラマです。この映画にドラマがないのは拒否しているからではありません。

 

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