「ドクター・スリープ」(ネタバレ感想・DVD)スティーブン・キング絶賛!人間臭いところにかな?

スティーブン・キングさんがどんなにキューブリック版「シャイニング」を気に入らなく批判しようとも、やはりキューブリック版は映画として傑作だったことを証明するような続編「ドクター・スリープ」です。

 

ドクター・スリープ

ドクター・スリープ / 監督:マイク・フラナガン

 

つじつまを合わせなくてはというプレッシャーが強すぎるのかも知れませんね。

 

原作にも、そしてキューブリック版「シャイニング」にもということなんですが、なんだかとても説明的な内容の映画です。

 

以下、こうした映画によくある哲学的考察はまったくありません(笑)。

 

基本的には善きものと悪しきものの戦いという、おそらくこうした映画の基本パターンではないかと思いますが、 シャイニングとトゥルーノットの戦いが繰り広げられます。

 

映画「シャイニング」の記憶もかなり薄れていますが、冒頭10分の1980年のシーンと後半のクライマックス30分のオーバールックホテルのシーンが多少なりとも思い出させてくれます。

 

1980年、ダニーはオーバールックホテルの悪夢に悩まされています。しかし、ディック・ハロラン(の亡霊)の助けをかりてなんとか乗り越えようとしています。

同じ頃、謎の集団トゥルーノットによる少女失踪事件が起きています。

 

2011年、成長したダニー(ユアン・マクレガー)は薬物とアルコールに溺れた生活を繰り返しています。また、別の場所にはシャイニングをもつ少女アブラがいます。

トゥルーノットは、最も能力の高いローズ(レベッカ・ファーガソン)を中心にシャイニングをもつ少女を仲間に引き入れ仲間を増やしています。

 

2019年、ダニーは薬や酒を断ち、ホスピスで働き、シャイニングの能力で死期の近い人々に安らかな最期を迎えさせるドクター・スリープとなっています。

シャイニングの強力な力をもつアブラ(カイリー・カラン)がダニーと交感します。

一方のトゥルーノットは、少年を誘拐し、恐怖を味わわせることでその生気を皆で貪り食っています。トゥルーノットは人が恐怖の際に放つ生気を生きる糧とするソウル(?)バンパイア集団です。吸い取った生気は魔法瓶に保存して(笑)ローズが管理しています。

 

その少年の叫びをキャッチしたアブラがダニーと交感し、そしてまた、その強い能力にローズもアブラの存在をキャッチします。

 

と、なんと説明的な! という展開でクライマックスに進みます(笑)。

 

誘拐された少年の死をきっかけにして、シャイニングのアブラとダニーが結びつき、トゥルーノット集団との戦いが始まります。

ローズ以外の10人くらいは、あららという感じで簡単にやられてしまいます。それもライフルに撃たれて死んで(消えて)しまいます。多分、肉体は仮想だったんですね。

 

正直、このあたりは映画的にもかなりしょぼいです。

 

それはともかく、戦いではダニーがやられそうになったり、アブラが薬をうたれて能力を失ったりとかいろいろありますが、結局、残るはダニーとアブラ、そしてローズだけとなります。

 

いよいよオーバールックホテルです。ただ、映画的にはかなりこじつけです。ここに意味があるのはダニーだけで、アブラはもちろんのこと、敵対するローズだってダニーとアブラをやっつけに行っただけでホテル自体に呼び寄せられたわけではありません。

 

ダニーはアブラになぜ危険な場所へ行くの? と聞かれて、自分たちに危険ならばあの女(ローズ)にも危険なはずだと答えていました。ちょっと意味不明なこじつけですが、ホテルがローズをやっつける結末なのかなと予想して楽しみましょう。

 

オーバールックホテルではいくつか「シャイニング」のシーンが再現され、ダニーとローズの対決、そこにホテルに宿る、あれは悪しきものたちでいいのかな? がローズを襲い、そしてダニーをも食べて(?)しまいます。

 

最後は、悪しきものに乗っ取られた(のだと思う)ダニーがアブラを襲い、ダニーの中で善きものと悪しきものの葛藤が始まり、アブラは逃げ、最後にはダニーが地下のボイラーを爆発(じゃないけど)させ、ホテルは焼け落ちてしまいます。

 

映画「シャイニング」に決着をつけた最後でした。ダニーにはジャックが乗り移ったりしていましたし、そのダニーの中で善悪の葛藤が起き、最後は自らホテルを消し去ったということです。

 

この映画では少なくとも悪しきものが自滅したのではなく、善きものが悪しきものを倒したということだと思います。

 

その後に、アブラが我が家でダニーの亡霊と話をした後、裸の老女の亡霊が立つ浴室へ入っていくシーンを入れていたのはよくわかりません。単純に余韻を残そうとしただけかも知れません。

 

スティーブン・キングさんもこの映画には満足しているという話もあるようですが、なんとなくわかるような気もします。

 

この映画はとても人間臭いです。

 

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