そんなには褒めないよ。映画評

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「アリータ:バトル・エンジェル」(ネタバレ)求められているのは、CGI よりもND(ニュー・ドラマツルギー)

今気づいたのですが、これ、ジェームズ・キャメロンさんは監督ではなくプロデューサーなんですね。やたらキャメロン、キャメロンとうたってありますので監督だと思っていました。

 

アリータ:バトル・エンジェル

アリータ:バトル・エンジェル / 監督:ロバート・ロドリゲス


まあ、ハリウッドですので監督でも製作でもどちらでもいいのですが、見ようと思った理由が、キャメロンの名前とアリータのビジュアルがまるでゲームキャラのCGのようだということでしたので、ちょっとばかり気になったということです。

 

で、もうひとつの方のアリータのビジュアルですが、どう見ても俳優であるローサ・サラザールさんの顔じゃないですよね。いったいどういうことなんだと思ってググってみましたらこういうこのようです。

 


『アリータ:バトル・エンジェル』驚異のメイキング映像!実写とCGIの「完全な融合」

 

これを見ますと、もう数年もすれば、この手の映画では俳優は必要なくなりますね。俳優自ら自分たちの首を絞めているみたいなことじゃないでしょうか。

 

いろいろ読んでいて、CGI(Computer Generated Imagery)という言葉を知りました。ウィキペディアを読んでももうひとつ概念をつかみづらいのですが、もうすでにコンピューターで作り出されるものはグラフィックスだけじゃないよという主張が込められた用語のような気がします。

 

ただ、まだまだこうした作りの映画だけでは満たされない層が(多分)多数存在していますので、さほど悲観はしていませんが(笑)、それにしてもこの映画、ドラマがダサすぎます。

  

空中都市ザレムとアイアンシティは上位下位の価値観でしょうし、ザレムのノヴァは、続編で詳細が明らかにされるのでしょうが(笑)、この手の映画の定番、神あるいはその変形、または神に操られるものでしょう。

そのノヴァによって遠隔操作(って古すぎ)されるベクター(マハーシャラ・アリ)って、格好はつけていますが、その力は何によって裏付けされているのかさっぱりわかりません。単なる空威張りにしか見えません。もうちょっと神秘性とか、あるいは単純に部下をいっぱい周りに置くとか(古い!)、なぜ弱いのにあんなに偉そうにしているの? 精神性が足りません。

 

チレン(ジェニファー・コネリー)はなぜ突然ほろりとしてアリータを助けたんでしょう? このチレンもキャラが一貫していません。あんなにザレムに戻りたがっていたのに、ちらっとアリータとヒューゴ(キーアン・ジョンソン)の純愛ラブシーンを見ただけで気が変わるって心優しすぎるでしょう。もしそれがアニータに娘の姿をみたからだというのなら、最初からそうしなさい(笑)。

 

まあ、そういうものを見る映画でないことはわかりますが、そうしたことを気にすることなく、ばかばかしいけどそこそこ迫力のある映像を楽しませてほしいだけです。

 

こういう映画に中途半端なドラマはいらないです。あるいは逆に日本の漫画やアニメが持っている(と思う)哲学性を重要視した実写版にしてほしいものです。

 

 

中途半端なドラマがいらないという意味では、ローラーボール(正しくはモーターボール(笑)、以下同様)やバトルシーンはほぼゲームのような印象で、そこにはドラマのドの字もありません。息つく暇もなく進むわけですからいいも悪いもなく、つまりそこには見るものの思考能力など求められてはいないということです。

それにしても、ローラーボールって、クラシカル過ぎません? 東京ボンバースか? とやや皮肉交じりに言いたくもなりますが、もともとアメリカのものですし、ググりますと2000年代に入ってからは復活しており、IOCに登録された国際ローラースポーツ連盟なるものもあるようです。

ローラーゲーム - Wikipedia

 


古舘実況で興奮が加速!映画『アリータ:バトル・エンジェル』モーターボール特別映像2019年2月22日(金)劇場公開

 

日本語吹き替え版の動画を見てみましたら、こっちのほうが面白いですね! この古舘さんのセンスで見たほうが楽しめる映画かも知れません。

 

ドラマがつまらないという点では、この映画の軸が「ザレム」に関することなのか、「ローラーボール」の勝敗なのか、そのあたりがうまく整理されていません。確かにローラーボールのチャンピョンだけがサレムに行けるとかいっていましたが、そこに持っていくための構成が全然ダメです。

火星との宇宙戦争(だったのかな?)、空中都市の崩壊、バッドシティ(だったかな?)に眠る宇宙船、何だかよくわからない名前の超パワー、最終兵器、そうした設定はこの手の映画の定番ですからそれはそれでいいのですが、それらを重層的にイメージさせるだけのドラマツルギーが欠けています。

で、結局、大層な言葉だけは踊っているけれども、最後に頼るのは、相も変わらず夫婦、子ども、男女愛といった、基本ではあるけれども使い古された安易な人間感情のドラマに頼るしかなくなるということです。

 

最先端技術を使いながら、ドラマ自体は使い古されたラブストーリー以外に頼るものがないというのは映画製作者の怠慢でしょう。

 

人間ってもっと複雑でしょう。え? 登場しているのは人間じゃない?

 

映画のラストは、ザレムへ行こうとそこにつながるチューブを登るヒューゴ、そしてそれを止めようと後を追うアリータ、そこへノコギリ歯のような相当アナログな(笑)防御武器がヒューゴを襲いあえなく地上へ落ちていきました。

で、ザレムを支配するノヴァとアリータの対決やこの映画では全く教えてくれなかった壮大な世界観は次作パート2で見せてくれるのでしょう。

 

ということで、CGIという新しい概念により、CGキャラクターと実写の人物を違和感なく融合することができることを見せる映画ということでした。

 

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