そんなには褒めないよ。映画評

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「しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス」(ネタバレ)モードとエベレット、4メートル四方の幸せ

シェイプ・オブ・ウォーター」は作品賞や監督賞を受賞しましたが、サリー・ホーキンスさんの主演女優賞は残念でしたね。でも、レビューにも書きましたが、サリー・ホーキンスさんあっての映画ですから、当然ながら、それも含まれた評価と考えるべきでしょう。

で、たまたまなんでしょうが、サリー・ホーキンスさん主演の映画がもう一本上映中でした。モード・ルイスさんというカナダの画家の映画です。

監督はアシュリング・ウォルシュさんという方で、BBCでサリー・ホーキンスさん主演の「荊の城」などテレビドラマをたくさん撮っている方のようです。

監督:アシュリング・ウォルシュ

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公式サイト

 

モード・ルイスさんがどんな絵を描く方かは Google の画像検索をどうぞ。

モード・ルイス - Google 検索

 

著作権の状態がよく分かりませんので画像は貼りませんが、本人の写真もありますね。モードさんがどんな方は、公式サイトの AboutMaud をどうぞ。トレーラーの音声が出ますのでご注意。この紹介文、ウィキペディアから取っていませんか(笑)。

 

モードさんは幼いころに関節炎を患ったらしく手足を自由に動かせなかったとのことで、サリー・ホーキンスさんの演技はもちろんですが、カメラ位置で動きの不自由さを強調したりと丁寧に撮られていました。

 

それにしてもサリー・ホーキンスさんはうまいですし、味がある演技をしますね。今となってはモードさんがどんな人物であったかは定かではないのでしょうが、きっとこうであったに違いないと思わせますし、絵の雰囲気ともよくマッチしています。

 

夫エベレット役のイーサン・ホークさんも不器用で朴訥なキャラクターがよく合っていました。

 

で、物語です。

モードは両親と兄とで暮らしていたようですが、両親が亡くなり、兄が借金のために家も売り払ってしまったため、叔母のもとで暮らすことになります。叔母とは折り合いが悪く、またモード自身の自立心が強く、たまたまエベレットが家政婦を探していることを知り、やや強引に押しかけて住み込みで働くことになります。

 

エベレットは魚の行商や廃品(のようなもの)の売買をしながら町はずれの小屋で暮らしています。この小屋がすごいんですよ! わずか4m四方くらいのワンルームで、寝室は屋根裏部屋しかなく、住み込みといってもベッド(といえるかどうか?)はひとつ、モードが「私はどこに寝るの?」と聞きますと、エベレットは他に寝るところがあるのかといった答で、要は雑魚寝です。

 

モードは、もともと絵を描くことが好きだったようで、暇を見つけては家の壁に花や鳥の絵を書きます。エベレットは不器用ですので快く認めたりは出来ませんが、それでもここはダメだがその壁はいいなどと認めてくれます。

 

ある日、NYから避暑に来ていたジャーナリスト(かな?)がモードの絵を気に入り、それがきっかけで広く知られるようになります。その後、二人は家の前に「Paintings for Sale」の看板を出して絵を売るようになります。さらに雑誌やテレビで紹介されると多くの人が買い求めに来るようになります。

 

ということで、モードは亡くなるまでその小さな小屋で絵を書き続け、そしてエベレットはモードをサポートし続けたということです。

 

現在、その家はノバスコシア美術館(Art Gallery of Nova Scotia)に復元されているそうです。

Maud Lewis Gallery | Art Gallery of Nova Scotia

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結局、この映画はモードの成功物語ではなく、モードとエベレットの愛情物語だということです。

 

二人がとても可愛らしく見えます。

 

ところで、日本版ウィキペディアには書かれていないのですが、映画の中で、モードがエベレットと結婚する前に未婚で子供を産んでおり、その子どもは障害があり亡くなったとエベレットに話すシーンがあり、ただ(映画の中の)実際は兄が里子に出してしまった(売ったと言っていた)とのことで、ラスト近くにその子どもが成人した姿を端から垣間見るシーンがありました。あれは実話なんでしょうか?

 

英語版 Maud Lewis - Wikipedia には、記述がありますね。

 

Maud gave birth to a daughter, Catherine Dowley, in 1928. Local Emery Allen was the father of her child and the love of Maud’s life. Amidst the scandal of giving birth out of wedlock, he abandoned her. Daughter Catherine attempted unsuccessfully later in life to contact her mother, but she was never accepted by Maud. 

 

25歳の時に Catherine Dowley という娘を産んでいます。父親は Emery Allen といい、結婚していなかったようでモードを捨てたとあります。娘は後にモードにコンタクトを取ろうとしたけれども受け入れられなかったようです。

 

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