そんなには褒めないよ。映画評

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「ゆれる人魚」(ネタバレ)ポーランド発、ややホラー、やや純愛、ややミュージカルなファンタジー映画

面白いのか面白くないのか、洒落ているのかダサいのか、ユニークなのかありきたりなのか、あらゆる点で判断に迷う映画です(笑)。

ポーランドのアグニェシュカ・スモチンスカ監督の長編デビュー作とのことです。

今ではヨーロッパで製作される映画をどの国の映画だからどうこうと語ることにあまり意味があるとも思えませんが、ポーランドといいますと、どうしてもアンジェイ・ワイダ監督やイエジー・スコリモフスキ監督という巨匠の名が浮かび、やや暗めのシリアスドラマをイメージしてしまいます。

しかし、この映画はちょっと違います。

監督:アグニェシュカ・スモチンスカ

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公式サイト

 

なかなかひとことでは表現できない映画なのですが、物語としてはアンデルセンの「人魚姫」に依っているところもあったり、人魚が人を襲うところは吸血鬼的でもあり、そしてその行為はカニバリズムでもあります。

 

時代は1980年代のワルシャワとありますのでおそらく共産主義政権も末期であり混乱期であっただろうとは思いますが、あまりそうした時代背景は関係なさそうで、ただ、ストリップと音楽が売り物のクラブが舞台ということもあり、全体的に退廃的でアングラっぽい雰囲気です。ある意味それが、ある時代の末期的表情といえるのかも知れません。

 

公式サイトを見てもらえば画像がありますが、人魚の姿形にしても結構グロテスクで倒錯的ですし、映像全体も、もちろんそのように作っているのでしょうが、毒々しさが強調されています。

 

音楽では、最初のクラブのシーンにドナ・サマーの I feel love が流れ、これは、ああこういう雰囲気なのかと最初に分かって結構良かったです。後半にはチェイスも流れていましたが、音楽を担当しているのはポーランドのヴロンスカ姉妹 Zuzanna Wrońska and Barbara Wrońska というインディーズのミュージシャンとのことです。

 

映画の中で使われていた曲の PV がありました。

vimeo.com

 

物語は、シルバー(マルタ・マズレク)とゴールデン(ミハリーナ・オルシャンスカ)の人魚姉妹が地上に上がるところから始まります。王子さまを助けるわけでもありませんのでおそらく興味本位でしょう(笑)。人魚たちは尾ひれの下半身が人間の二本足にも変身できるようで、水をかけるとその足が尾ひれに戻ります。

地上に上がった人魚たちはストリップクラブで歌手として働くことになるのですが、クラブのオーナーとの対面で変身の様子を見せるシーンは、上にも書いた尾ひれもそうですが、二本足のときは性器はなく、尾ひれになれば産卵する部位を性器のようにみせている(おそらくそのつもりでしょう)のは結構グロテスクです。

 

で、人魚たちはその変身もあり人気を博し、シルバーはバンドメンバーのひとりミーテク(ヤーコブ・ジェルシャル)に恋をします。しかし、ミーテクは人魚とは愛し合えないとやんわり断り、失望したシルバーは尾ひれを捨て二本足を移植する決断をします。

 

一方、そんなシルバーを心配してみているゴールデンですが、肉食人魚という設定なんでしょう、ある時、クラブの客だったと思いますが人間を襲い食べてしまいます。

 

人間に生まれ変わったシルバーにやや心動かされたミーテクですが、いざ愛し合うことになればシルバーの移植接合痕からの血に恐れおののき去っていきます。そして、あっけなく人間の女性と結婚してしまいます。

 

そして、どういう経緯だったか記憶していませんが、というより映画もかなり混乱しているように感じられ、また、そもそもファンタジーですので辻褄の合うストーリーなど求められていないわけですので別に問題はないのですが、パーティーの場でミーテクと踊るシルバーは愛するがあまりミーテクの首筋に噛みつき、そして自分は泡となって消えてしまいます。(たしかこんな感じだったと思う)

 

そして、ゴールデンは、これもはっきり記憶していませんが、人間を食べたことの関連だったか何だったか(笑)、よくわからないけれど海へ帰っていきました。

 

結局、冒頭に書いた通り、面白いとは思いますが、全体的に中途半端な感じがします。エログロならエログロの美学を、純愛ファンタジーなら美しく物語を語り、ミュージカルなら音楽を前面に出すなど何かひとつ軸がかけているように思います。

 

ゆれる人魚

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