そんなには褒めないよ。映画評

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映画「ジュピターズ・ムーン」(ネタバレ)難民、テロ、天使、神、SF、ファンタジー、内容は豊富だけれど…

「ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲(ラプソディ)」のコーネル・ムンドルッツォ監督の日本公開第2作です。残念ながら前作も見ていませんし、監督のことも何も知らず、予告編で面白いかもと思い見てみました。

ハンガリーの監督なんですね。ハンガリーといいますとタル・ベーラ監督くらいしか思い浮かびませんが、自分のサイト内を検索してみましたら、「サウルの息子」のネメシュ・ラースロー監督、「リザとキツネと恋する死者たち」のウッイ・メーサーロシュ・カーロイ監督、「悪童日記」のヤーノシュ・サース監督もハンガリー出身でした。

 

監督:コーネル・ムンドルッツォ

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公式サイト

 

それに、昨年2017年のベルリン金熊受賞作「心と体と  On Body and Soul」がイルディコー・エニェディ監督のハンガリー映画ですね。

 

予告編を見ますと面白そうです。


On Body and Soul - Trailer (UK)

 

で、この「ジュピターズ・ムーン」ですが、出だしはよかったんですが、中盤以降は、あら?あら?といったことが続き、結局、わけの分からない映画で終わってしまいました。

 

シリア難民が(おそらく)セルビア経由でハンガリーに入ってくることを題材にしているのですが、視点が定まっておらず、難民という問題に切り込もうとしているのか、宗教的なテーマを提示しようとしているのか、SFファンタジーでいこうとしているのか、方向性が全く分からない映画です。

 

父とともにシリアを逃れてハンガリーへ入ろうとしたアリアンは、国境付近で警備隊に追われ撃たれてしまいます。実は、この展開、流れ的にはかなり唐突なんですが、さらに唐突なことに、アリアンは撃たれても死なず、逆に自由に重力を操り、自ら宙に浮くことが出来る能力を身につけます。

 

一方、難民キャンプには、難民たちからお金を取って違法に入国させている医師シュテルンがいます。彼は、医療ミスにより患者を死なせ、勤めていた病院を解雇されたらしく、被害者との示談金を稼ぐために悪事を働いているわけです。

 

その二人が出会うことで物語が進んでいきます。シュテルンはアリアンの能力を利用して金を稼ごうとします。2,3シーンでしたか、二人で患者のところへ往診に行き、アリアンの能力で何かするのですが、これがなんだかよく分からない展開で、なぜ宙を浮く能力がそこで関係する?といった訳のわからないことで、それでもお金を稼いでいきます(笑)。

 

話は戻って、アリアンを(唐突に)撃った刑事(なのかどうかよく分からない)ラズロは、その行為自体が咎められることを恐れ、アリアンと父をテロリストにして、アリアンを亡き者にしようとします。父親はすでに死んでいます。

 

さらにややこしいことに、テロリストは別にいて爆発事件も起きたりしますが、それはあまり本筋には絡んできません。

 

で、結局、物語の本筋は、どうやらラズロがシュテルンとアリアンを追跡することにあるようで、アリアンが宙に浮く行為で危機を脱したりするシーンもありますが、概して展開は適当で、まあファンタジーだからと、さほど気にせず見ていくことも可能ではあります(笑)。

 

ただ、アリアンが宙に浮くことで、それを天使という宗教的意味合いで語ったり、難民問題の扱いやテロも適当な迫り方で、悪く言えば、何だか上から目線を感じなくもない映画ではあります。

 

いずれにしても、そんなわけで意味もよく分からないまま進み、最後は、シュテルンが撃たれ、アリアンはビルの高層階(ブダペスト・ホテル?)から窓を割って空に飛び立ち、宙に浮いているその姿をラズロが割れた窓から見ているカットで映画は終わります。

 

で、なぜ、ジュピターズ・ムーン?

 

という映画です。

 

難民、テロ、天使、神、SF、ファンタジー、内容は盛りだくさんではありますが、どれも都合よく入れてみた感じが強い映画です。

 

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