映画よ、さようなら/フェデリコ・ベイロー監督

後半、一転して、え?何起きるの?と、ハラハラドキドキ感が面白い。

何だよ、このハラハラドキドキ感は!? って言うくらい、退屈な前半(スマソ)から一転、後半のサスペンスタッチが面白い映画でした。

前半は、邦題の「映画よ、さようなら」の通り、資金難で閉鎖せざるを得なくなったシネマテークの館長と支配人でしょうか、ホルヘの日々が描かれており、ああこういう映画なのねと思っていましたら、後半は、原題の「La Vida Util」に、なるほどと思える映画でした。

原題の意味は今知ったのですが…(笑)。 

ホルヘ(45歳)はシネマテークに勤めて25年。だが、観客は激減し、建物の賃料も滞納していた。ある日、ついに立ち退きを迫られ、出資元の財団からも続けるわけにはいかないと通告される。ついに閉鎖の日、途方に暮れるホルヘの頭の中に、突如「駅馬車」のワンシーンが響き渡り、映画(=人生)を生きることに向かって足早に歩き始める。髪を切り、25年の人生が詰まった黒い鞄を置き去り、そして…。(公式サイト

公式サイトによりますと、

原題「La Vida Util」には、「耐用年数(賞味期限)」という意味と「生き甲斐のある人生」という意味がある。 

とのことで、ホルヘは、シネマテークが閉鎖されても、映画を糧に生き甲斐のある人生を歩んでいくことでしょう。

ラスト、密かに思いを寄せるパオラを「映画に行こう」とデートに誘うのが象徴的です。

後半のホルヘの予想がつかない行動は面白いです。

パオラ(大学の教授?)の大学へ行き、代講の教授になりすまして「嘘は普遍的だ」と学生を前にやっていた講義は、「映画」のことを話していたんでしょうか? よく分からなかったのですが、面白かったですね。

古い映画のことはあまり知りませんので「駅馬車」の音楽も分かりませんでしたが、黒澤の影武者(かな?)のポスターが貼ってあるシーンがありました。

ウルグアイ、2010年の映画ですが、いずれにしても、こういう映画をもっとやってほしいものです。