そんなには褒めないよ。映画評

映画を見てから読むブログ

「ワレサ 連帯の男/アンジェイ・ワイダ監督」幾度も流れる熱いロックがそれを現しているのでしょうが、映画的には渋さはあっても熱さはなく、ワレサも人間的魅力が感じられる…

いわゆる伝記ものではあるのですが、全くヒーロー感はなく、とても見やすい反面、どこか物足りなさも感じます。なぜ一電気工であったワレサが、革命的なリーダーとなり、ノーベル平和賞を受賞し、初代大統領にまでなったか、そうしたことを描く意図はあまりなかったようで、印象に残ったのは、モノクロの過去の映像を違和感なく取り込んだ映像処理でした。

映画内のレフ・ワレサ(ロベルト・ヴィェンツキェヴィチ)をあえてスタンダードサイズのモノクロで撮ったり、過去映像からトーンを落としたカラー映像へとつないだりと、かなり気を使った処理をしていました。

映画は、イタリア人ジャーナリストのワレサへのインタビューが時間軸のベースとなっています。考えてみれば、あのインタビューはどの時点だったんでしょう? 映画はノーベル賞を受賞したあたりで終わっていましたので、そのあたりだったんでしょうか?

あらためて思い返してみると、インタビューの内容に関連させて過去のワレサが語られるといったわけでもなく、なくても映画は成立していますし、何だったんでしょう? ワレサはちょっと変わった人物だが魅力的だ、みたいな台詞があったように記憶していますので、それが狙いだったのかも知れません。確かに、最初はややワレサをつかみかねているジャーナリストの顔に、徐々に理解し認めていくような変化が現れていたように思います。

現在のポーランドで、ワレサがどのような評価をされているのかは分かりませんが、アンジェイ・ワイダ監督の何らかの思いが描かれた映画なのでしょう。多分、幾度も流れる熱いロックがそれを現しているのでしょうが、映画的には渋さはあっても熱さはなく、ワレサ(ロベルト・ヴィェンツキェヴィチ)も人間的魅力が感じられるほどには描かれていないように感じます。

妻ダヌタ・ワレサ役のアグニェシュカ・グロホフスカさん、とても可愛く、印象が良かったです。