そんなには褒めないよ。映画評

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「タンゴ・リブレ 君を想う/フレデリック・フォンテーヌ監督」常に緊張感を失わず、飽きさせず、抑えたドラマチックさが大人っぽい

とても映画らしい映画で楽しめました。南米映画は心騒ぐ感じがとても大好きで、この映画もタンゴ=アルゼンチンと思い込んで見にいったら、何とベルギー映画でした。

変な言い回しですが、とらえどころのない良い映画でした。

一人暮らしの刑務所の看守が、習い始めたタンゴのダンス教室で女性と出会い、恋に落ちますが、その女性が刑務所に服役している男の妻であり、さらにややこしいことに、男は共犯者と共に服役しており、その男は女の元恋人であったという、かなりややこしい話です。

ただ、その人間関係は、徐々に徐々にみえてくるようにつくられており、その流れが、どこか不穏な空気を漂わせたサスペンスっぽさやダンス映画の持つ熱っぽい感じや主人公の看守の不器用さからくる滑稽さなどが入り交じった何とも奇妙な映画なのです。

特に結末など秀逸です。

この映画は一体どこへ行くのだろうという不安定さを抱えながら、常に緊張感を失わず、飽きさせず、抑えたドラマチックさが大人っぽい、アルゼンチン映画とはまた一味違ったタンゴ映画と言えます。