そんなには褒めないよ。映画評

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「死刑弁護人/齊藤潤一監督」安田好弘弁護士、この人物を追いかけてこの画しかとれないってのは、ドキュメンタリーとしたら、どうなんでしょう?

これだけバッシングを受けている弁護士も多分いないでしょう、安田好弘弁護士。それに、刺激的な「死刑弁護人」というタイトル。相当期待して見に行きましたが、これがかなりの期待はずれで、何とも残念でした。

冒頭にも書きましたが、ドキュメンタリーの作り手がこんなありきたりの画で満足しているとしたら本当に寂しいことです。安田弁護士へのインタビュー、裁判所の玄関で待ち受ける画、死刑廃止のデモを外側から撮った画、仲間と飲んで多少酔っぱらって歩く画、他に安田弁護士を追った画って何かありましたっけ?

もちろん、映像としては、安田弁護士が扱った、あるいは扱っている裁判に関わるものはたくさん使われています。たとえば和歌山カレー事件について言えば、当時の報道映像から現在の現場映像までいろいろありました。でも、そんなものはもうテレビで何度も見せられています。それに、テレビ局であれば、系列局の協力も得られるでしょうから、そうした映像を使うことなどさして難しいことではないでしょう。

そうした映像が安田弁護士のインタビューの添う形で流れていきます。言うなれば、安田好弘弁護士のプロフィール映像みたいな感じです。

これだけの被写体を追っかけるのなら、もう少しねぇ、何とかならんのでしょうか? 一体何を撮ろうとしたのでしょう? 一体何が知りたかったのでしょう? たとえば、これだけのバッシングにあえば、安田弁護士だって何らかの葛藤だってあるでしょう。迷いだってあるでしょう。あるいは、被写体に対して何らかのつっこみを入れて何かを引き出すことだって出来るでしょう。

結局、知りたいから撮っているのではなく、知らせるために撮っているということでしょうか…。