そんなには褒めないよ。映画評

映画を見てから読むブログ

冬の小鳥

映画は決して言葉で語ってはいけない。過度な思い入れや説明を避け、そこにあるヒトやモノやコト、そしてそれらを包み込む空気をとらえれば、こんなにもすばらしい作品に仕上がる。

奇をてらうところなど全くなく、あえて言えば、子供目線のカメラワークや意図的に父親の顔をはずしたカットを冒頭のシーンで多用している程度で、全体的に極めてオーソドックスなつくりになっている。

大人の都合で孤児院に入れられた主人公ジニの様々な心情は、そうしようと思えば、いかようにもドラマチックに描けるのに、ウニー・ルコント監督は、決して、そのような手法はとらず、自身の感情を反映させようとすることもなく、ひたすら俳優たちを信じ、淡々と映像でとらえようとしている。

それだけに、観る側に生まれる想念は様々で、深く心に残る。

脚本を読んだイ・チャンドン監督が、「シンプルだが沢山の要素が詰まっている」とプロデュースを買って出たとの話もあり、その影響力がややあるのではないかと思わせるが、いずれにしても、ウニー・ルコント監督、次回作が楽しみだ。