そんなには褒めないよ。映画評

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抱擁のかけら

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極めて個人的な感覚とは思いますが、最近のペネロペは、若き頃みたソフィア・ローレンに似てきたような気がします。もちろん存在感がという意味ですが、やや小柄とはいえ、そのグラマラスなボディやエキゾチックな顔立ちも、私には、「ひまわり」あたりのソフィア・ローレンを彷彿とさせます。

で、「抱擁のかけら」ですが、どうもアルモドバルは、こういった男と女の微妙な恋愛を描くのは不得意のようですね(笑)。と言うか、彼の描く人間たちは、よくコイ〜ねなどと言われるようですが、実は、見掛けの映像や設定とは裏腹に、とてもシンプルでクリアなんです。ごちゃごちゃ細かいところにこだわらず、自分の信じるというか、信念を貫くというか、ん〜、そうじゃなく、感情のおもむくまま(笑)というか、実に正直に行動するんです。

といったわけで、今回も、視力を失った映画監督マテオが、ペネロペ演じるレナに惹かれていく気持ちの流れや、二人が離れがたくなっていくところなんてものは描かれたりはしません。かといって、それがないわけではなく、映像からわき上がってくる(かな?)大人の映画と理解しましょう。

まあ、それだからこそ、アルモドバルなんですけどね。なぜ相手を好きになったかなんてことは、ある意味、どうでもいいことですし、今、その相手を必要としていること以上に確実で重要なことはないでしょう。

私は、そのあたりがとても好きですので、多少映画が不出来でも許してしまいます(笑)。

それに、この映画、二人の関係が本題ではなく、映画を創ることへの思いとか映画そのものへの敬意とか、そのあたりがテーマのような気がします。