そんなには褒めないよ。映画評

映画を見てから読むブログ

「コンフィデンスマンJP」100%騙されて、ああ今日も騙されたとしあわせな気持ちで帰路につく

メラニー・ロラン監督の「ガルヴェストン」を見る予定が急遽変更、「コンフィデンスマンJP」を見ることになりました。理由はいたって簡単、ちょっとした時間の行き違いです(笑)。 朝のテレビで長澤まさみさんを見たことも理由のひとつです。番宣も有効との…

「怒り(DVD)」原作を損なうことなく、後半は結構いける

やっと DVD(Blu-ray)借りられました。 原作を読み、 映画に乞うご期待! ということになるのでしょうが、まあ例によって原作を読んで見た映画に満足などできるわけもなく、正直このキャスティングを見ても、もうこりゃダメでしょう(すみません)と思うわ…

「ホワイト・クロウ 伝説のダンサー」(ネタバレ)ヌレエフ亡命のラストシーンは見ごたえがあります

ルドルフ・ヌレエフ。 バレエ好きでなくとも、映画や舞台などアート系の情報に目を通していれば、必ず目にしている名前だと思います。というよりも、映画ファンであれば、「愛と哀しみのボレロ」のジョルジュ・ドンが演じたセルゲイのモデルといったほうが早…

「希望の灯り」(ネタバレ)巨大スーパーマーケットの通路に東西ドイツ統一後の人々の悲哀が満ちている

希望の灯り? 似たようなタイトルの映画、あったよなあ…。ああ、アキ・カウリスマキ監督の「街のあかり」「希望のかなた」だ。って、これはひょっとして配給の戦略(笑)? まあ、原作が収録されている短編集のタイトルが『夜と灯りと』だからということもあ…

「轢き逃げ 最高の最悪な日」(ネタバレ)水谷豊オリジナル脚本による監督第二作。

水谷豊さん、「相棒」の宣伝映像などでちらちらと見ているくらいで、ちゃんと見たのはこの映画が初めてです。脚本も水谷さんのもので完全にオリジナルだそうです。 轢き逃げ 最高の最悪な日 / 監督:水谷豊 入りがむちゃくちゃうまいですね、びっくりしまし…

「主戦場」ミキ・デザキ監督のビデオ論文のような映画

こうした映画にネタバレというものがあるとは思いませんが、以下、この映画の結論について書いていますので、気になる方はご注意ください。 主戦場 / 監督:ミキ・テザキ これは映画というよりもビデオ論文みたいなものです。だからダメという意味ではなく…

「ドント・ウォーリー」(ネタバレ)ガス・ヴァン・サント監督らしいスピリチュアルな映画

ジョン・キャラハンさん、下の引用画像にもカウボーイのイラストがありますが、自動車事故で胸から下が麻痺し車いす生活を送る(っていた)風刺漫画家です。2010年に59歳で亡くなっています。その半生、自動車事故にあってから立ち直り、風刺漫画家として世…

「エマの瞳」(ネタバレ)プレーボーイと盲目の女性の恋、だけの映画なのか?

公式サイトに「イタリアの名匠シルヴィオ・ソルディーニ監督の最新作」とありますが、まったく知らない監督で初めて見ました。 映画.comでシルヴィオ・ソルディーニ監督を見てみますと、結構公開されています。タイトルを見てもまったく記憶になく、劇場公開…

「幸福なラザロ」(ネタバレ)聖人を思わせるラズロの澄んだ瞳があっての映画

この映画、しばらく前に見たのですが、なんとなく書くポイントが定まらずそのままになっていました。前作の「夏をゆく人々」に比べれば、この「幸福なラザロ」はかなり明快なんですが、それでも、なんと言うのでしょう、これは決して批判的に言うのではなく…

「アガサ・クリスティー ねじれた家」(ネタバレ)物語の運びも登場人物もねじれが足らず。

公式サイトに、アガサ・クリスティー本人が「自身の最高傑作だと誇」ったとある『Crooked House ねじれた家』の映画化です。 ねじれた家 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) 作者: アガサ・クリスティー,田村隆一 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2004/06/1…

「12か月の未来図」(ネタバレ)エリート教師は教育格差問題を解決するか

過去には「パリ20区、僕たちのクラス」「バベルの学校」「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」といった映画もあり、もう少しドラマっぽいものでは「オーケストラ・クラス」もそうですが、移民や貧困層の多い地域の学校が舞台のフランス映画というのは日本でもよく…

「愛がなんだ」(ややネタバレ)今泉力哉監督による(超)日常会話的片思い恋愛劇

5人の男女の恋愛模様を2時間見続ける映画です。 って、ちょっと嫌味っぽく聞こえるかもしれませんが、そうでもなく、5人皆うまいですし、丁寧に作られていますし、(おそらく)今泉力哉監督のやろうとしていることもきっちりできている映画だとは思います…

「ある少年の告白」(ネタバレ)同性愛は治療すべきものというおぞましき思想、信条

「Conversion therapy」矯正セラピーと訳されていますが、同性愛者や両性愛者を異性愛者に矯正するという、いったいいつの時代? と思うような話ですが、原題(Boy Erased)と同名の回想録の著者ガラルド・コンリーさんが「Love In Action」へ送られたのは20…

「魂のゆくえ」(ネタバレ)とんでもないラブストーリーだった!

スクリーンは4:3のスタンダードサイズ、ほとんどすべての画がフィクス、それもかなりのこだわりの構図でこれ以外の切り取りは許さないくらいの意志が感じられます。 タイトル(原題:First Reformed)にもなっているファースト・リフォームド協会のトラー…

「ビューティフル・ボーイ」(ネタバレ)出口の見えない、薬物依存の息子とその父の物語

監督が「オーバー・ザ・ブルースカイ」のフェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲンさんということで、まったく内容も知らず、そういえば予告編では親子喧嘩していたなあといった程度の情報で見に行きましたら、えー、こんな話だったの…という映画でした。 ビ…

「悪と仮面のルール」(DVD)人間存在の不条理を描く重厚なドラマかと思ったら、メロドラマだった。

映画を見る限りでは、原作の中村文則著『悪と仮面のルール』が「ウォール・ストリート・ジャーナル紙の2013年ミステリーベスト10に選出(講談社文庫)」されたというのはにわかには信じがたいです。原作どうこうではありません。映画がです。 悪と仮面のルー…

「多十郎殉愛記」(ネタバレ)高良くん、力入りすぎ、多部未華子さん、着物が似合ってます。

「〝巨匠〟中島貞夫監督 20年ぶりの最新作 59年の映画人生を次世代に受け継いだ、日本映画史に残る新しい「ちゃんばら映画」が誕生!」なんて宣伝コピーですのでかなり期待して見に行ったんですけど…。 多十郎殉愛記 / 監督:中島貞夫 といっても、実は中島…

「ザ・プレイス 運命の交差点」(ネタバレ)預言者現る

これは舞台劇にすべき内容ですね。 映画では観念的すぎて持たないです。15分もすれば先がみえて飽きてきます。 ザ・プレイス 運命の交差点 / 監督:パオロ・ジェノヴェーゼ パオロ・ジェノヴェーゼ監督、前作は「大人の事情」で、こちらもどちらかといいま…

「麻雀放浪記2020」(ネタバレ)B級狙いなのか何なのか、狙いがわからない

惜しいー! 15分くらいは面白くなりそう! と期待したのに…。 麻雀放浪記2020 / 監督:白石和彌 何かと話題の多い映画です。東京五輪が中止になるという映画の設定に自民党国会議員がクレームをつけたとか、それが炎上商法だとか、ピエール瀧さん逮捕である…

「リヴァプール、最後の恋」(ネタバレ)男女逆にイメージしてこの映画の印象と比べてみれば何かが見える

グロリア・グレアムさん、アカデミー助演女優賞を受賞したのが1952年、29歳の時の「悪人と美女」、亡くなられたのが1981年ですから57歳です。そのグロリアさんの亡くなられる直前の物語です。 リヴァプール、最後の恋 / 監督:ポール・マクギガン 原作があ…

「記者たち 衝撃と畏怖の真実」(ネタバレ)今の日本を顧みるための映画

ブッシュ政権が2003年3月20日に始めた違法なイラク戦争、アメリカの大手メディアがこぞって戦争を支持していた時、ただ一社ナイト・リッダーだけがブッシュの嘘を暴こうとしていたという based on a true story の映画です。主要な登場人物である下の画像の…

「チャンブラにて」(ネタバレ)ロマの少年ピオくん、この映画出演を劣悪環境脱出の契機にして欲しい

ずーと気になっていたんですが、見るのが最終日(先週金曜日)になってしまいました。それにしても地味なタイトルです。昨年のイタリア映画祭2018で上映されています。 配給:武蔵野エンタテインメントとなっていますから、新宿武蔵野館が買い付けたというこ…

「空の瞳とカタツムリ」いつになったら女性は脳内男性から開放されるのだろう

なんとなくタイトルに惹かれ、上映劇場の紹介に「荒井晴彦が企画、荒井美早が脚本化」とありましたので見てみました。 空の瞳とカタツムリ / 監督:斎藤久志 公式サイトによりますと、荒井美早さんは1986年生まれですから現在33歳、映画の内容からしてへぇ…

「ブラック・クランズマン」(ネタバレ)これをアメリカのお話と思ってはいけない。

予告編ではコメディっぽい印象を受けたのですが、笑えるところはまったくなく気分が悪くなるような映画でした。これがアメリカの1960年、70年あたりの現実であり、また現在でもその根がなくなっているわけではないことを考えれば、スパイク・リー監督が「グ…

「たちあがる女」(ネタバレ)ベネディクト・エルリングソン監督の「地球温暖化」への強烈なメッセージ

「たちあがる女」なんてもんじゃないです。「Woman at War」まさしく「たたかう女」です! ただ直球勝負ではなく硬軟織り交ぜて作られており、とてもバランスがよく、面白いですし、考えさせられますし、でもどうしたらいいんだろうと立ちすくむしかない今の…

「マイ・ブックショップ」(ネタバレ)イギリスの田舎の風景は美しく、エミリー・モーティマーもいい

ひとりの女性がイギリスの田舎町に本屋をひらく、ただそれだけ話なんですがかなりよかったです。ゆったりしたリズムと間合い、そしてなんといっても、その女性フローレンスをやっているエミリー・モーティマーさんがいいです。 マイ・ブックショップ / 監督…

「サンセット」(ネタバレ)上から目線の映画はつくり手が望むほど人には伝わらない

「サウルの息子」のネメス・ラースロー監督の長編2作目です。 もし、この映画を見ようかやめようかと迷ってこのサイトにこられた方がいましたら、是非見てください、そしてどう感じられたか教えてくださいと答えます。そういう映画です(笑)。 サンセット …

「ROMA/ローマ」(ネタバレ)キュアロン監督のクレオ(Liboさん)への愛情の深さを感じる映画

Netflixのネット配信でしか見られないのかと思っていましたら、先週からイオンシネマで劇場公開されたアルフォンソ・キュアロン監督の「ROMA/ローマ」 です。映画の内容だけではなく何かと話題の多い映画なんですが、意外にも入りはよくありませんでした。ネ…

「まく子」(ネタバレ)前半は鶴岡慧子監督のうまさが光るが、後半は物語として厳しい…。

何を見ようかとざっと映画の公開情報を見ていた際には、これは見ることはないかなと思っていたのですが、その後ふと鶴岡慧子監督の名前が目に入り、ああそういえば「過ぐる日のやまねこ」でかなり辛辣なことを書いたなあと思い出し、ちょっと反省の意味も込…

「岬の兄妹」(ネタバレ)つくり手の意志がみえなければ映画にならない

地の果てのイオンシネマまで行って見てきました。エンドロールの配給(協力?)でしたかにイオンシネマの名が入っていたような…。そういえば「ROMA/ローマ」も配給すっ飛ばしてイオンシネマが(多分)Netflixから買ったとか、Netflixが売ったとか、あるいは…