「アジアの天使」ネタバレレビュー・あらすじ:俳優たちの本音のぶつかりあいがなく緊張感がない

昨年(2020年)末の「生きちゃった」から今年に入ってついひと月前の「茜色に焼かれる」、そしてこの「アジアの天使」と続けざまに石井裕也監督の映画を見ています。 たまたま公開が重なったということなんでしょうが、映画の内容や出来からすると、何を撮り…

「1秒先の彼女」ネタバレレビュー・あらすじ:奇跡のラブストーリー?ちょっと待てよ…

チェン・ユーシュン監督が「台湾ニューシネマの異端児」と呼ばれているとの紹介に目が止まった映画です。ただ、その言葉が当てはまるのは1995年の「熱帯魚」や1997年の「ラブゴーゴー」の二十数年前のことだと思います。その後2013年の「祝宴!シェフ」まで…

「いとみち」ネタバレレビュー・あらすじ:すべてにおいて過不足なく完璧!

横浜聡子監督、2016年の「俳優 亀岡拓次」以来です。長編ではその前が2008年の「ウルトラミラクルラブストーリー」ですから、なかなか撮りたいものの環境が整わないということなのか、もっと撮って欲しい監督のひとりです。 で、「いとみち」、完璧でした。…

「バクラウ 地図から消された村」ネタバレレビュー・あらすじ:アナーキーな村、バクラウ、アナーキーな映画、バクラウ

昨年(2020年)末の劇場公開時に見ているのですが、書きかけでそのままになっていた映画です。かなり記憶も薄れてしまいましたのでDVDを見てみました。 前半は散漫な感じでDVDじゃ集中できませんが、やはり後半はぐっと惹きつけられます。次第に映画の向かっ…

「Arc アーク」映画・ネタバレレビュー・あらすじ:不老不死をホームドラマのように描かれても…

不老不死を題材にした映画を撮ろうとすれば、一般的にはファンタジーかSFになるのではないかと思いますが、なんと!この映画はごく普通のドラマ(?)でそれを描こうとしています。 挑戦的な試みなのか、原作のトーンがそこにあるのか、あるいはほかに思いつ…

「のさりの島」ネタバレレビュー・あらすじ:人にはまやかしに頼りたいときもある

「北白川派」という「京都造形芸術大学と映画学科が一丸となり、その全機能を駆使しながら、プロと学生が協働で一年をかけ一本の映画を完成させ、劇場公開を目指すプロジェクト」で製作された映画です。 ちょうど2年前に「嵐電」という鈴木卓爾監督の映画を…

「ブラックバード 家族が家族であるうちに」ネタバレレビュー・あらすじ:俳優は豪華だが映画は作りものくさい

ビレ・アウグスト監督の2014年の映画「サイレント・ハート」のリメイクとのこと、その映画は日本では2016年の「トーキョーノーザンライツフェスティバル」で上映されています。劇場未公開です。 ブラックバード 家族が家族であるうちに / 監督:ロジャー・…

「逃げた女」ネタバレレビュー・あらすじ:ホン・サンス監督の自虐的懺悔映画か?

私には2017年の「それから」以来のホン・サンス監督です。特別注目しているわけではありませんが、名前をみれば見てみようかと思う監督です。 公式サイトに、主演のキム・ミニさんが「監督の公私のパートナー」とありましたので、そうなんだとググってみまし…

「ペトルーニャに祝福を」ネタバレレビュー・あらすじ:神は存在する 彼女の名はペトルーニャ、というマケドニア映画

邦題は「ペトルーニャに祝福を」という優しいタイトルになっていますが、英題は「GOD EXISTS, HER NAME IS PETRUNYA」です。マケドニア語の原題も同じ意味らしく、そのまま日本語にすれば「神は存在する 彼女の名はペトルーニャ」です。 ギリシャ正教とか東…

「キャラクター」映画ネタバレレビュー・あらすじ:菅田将暉、高畑充希共演を期待したのにお茶くみだけだった

これまでですとDVDでは見るにしても公開日に劇場へ足を運ぶような映画ではないのですが、菅田将暉さんと高畑充希さんの共演であればと早速見に行きました。 それに、新型コロナウイルスのせいで製作される映画も少なくなっているのか、特に海外からはあまり…

「猿楽町で会いましょう」ネタバレレビュー・あらすじ:女はコワイは今の時代では女性蔑視っての知ってた?

先週末に、どんな映画が公開されるのかなとざっと映画.comを見た時には見ることはないだろうと思っていた映画です。が、ふと目にしたFilmarksだったか、映画.comだったかの感想で見ることにしました。 ただ、点数が1だったか2だったかの良くない評価です(笑…

「幸せの答え合わせ」ネタバレレビュー・あらすじ:ウィリアム・ニコルソン監督自身の両親追憶映画

すごい映画ですし、面白いです。 老年夫婦の離婚話ですが、その離婚話自体が類似の映画とは随分かけ離れていますし、台詞だけではなく頻繁に語られる詩などの言葉にいろいろ意味が込められているようです。とにかくいろんな見方ができる映画で、ウィリアム・…

「はるヲうるひと」ネタバレレビュー・あらすじ:山田孝之が頑張るも、「劇」のまま映画にならず

佐藤二朗さんという方を、ああ、あの映画のと、はっきり思い出せるものはありませんが、なんとなく知っている俳優さんではあります。 その佐藤さん、「ちからわざ」という演劇ユニットを主宰しているそうです。この映画もそこで2009年に初演された舞台劇がも…

「海辺の家族たち」ネタバレレビュー・あらすじ:感傷的な内容をさらりと描いて好印象、ロベール・ゲディギャン監督

ロベール・ゲディギャン監督が「フランスのケン・ローチ」と言われているとの宣伝コピーがありましたので、疑り深い私は(笑)海外のサイトを調べてみました。 すみません、確かにそうしたニュアンスで語られている批評がたくさんありました。 海辺の家族た…

「グンダーマン 優しき裏切り者の歌」ネタバレレビュー・あらすじ:旧東ドイツのボブ・ディラン?の伝記映画

ゲアハルト・グンダーマン。 旧東ドイツ時代から東西ドイツ統一後の東ドイツで活躍したというシンガーソングライターで、昼間は褐炭採掘場で働き、仕事が終わるとステージに立っていたということです。 そのグンダーマンの伝記(的)映画なんですが、実は彼…

「明日の食卓」ネタバレレビュー・あらすじ:子育ては母親の仕事か?あたかもそう言っているかのような…

椰月美智子さんという作家の同名の原作があります。知らない作家さんですが、児童文学でたくさん賞をとっているようです。ただ、この「明日の食卓」は母親の話ですので大人向けの作品です。 下の画像にあるように菅野美穂さん、高畑充希さん、尾野真千子さん…

「ハウス・イン・ザ・フィールズ」モロッコ、アトラス山間部に暮らすアマジグ族の姉妹と結婚式

「モロッコの山奥に暮らすアマズィーグ族の姉妹、ハディージャとファーティマ。アトラス山脈の壮大な自然の中、自身の夢と伝統や慣習のあいだで揺れ動く心のうちを親密な映像で紡いでいく。(公式サイト)」 という映画なんですが、なんだか膜が張ったような…

「茜色に焼かれる」ネタバレレビュー・あらすじ:石井裕也監督、覚醒す!と思いきや…

石井裕也監督、覚醒す! これまでの石井監督の印象は、映画としてうまくまとめる能力は高いけれども、今の時代や社会にあまり直接的なコミットメントをしない印象でしたが、この映画はちょっと違っていました。 たまたまの1本なのか、なにかが変わっていく初…

「ファーザー」ネタバレレビュー・あらすじ:アンソニー・ホプキンスさんアカデミー賞主演男優賞受賞!

アンソニー・ホプキンスさんが、今年2021年のアカデミー賞主演男優賞を受賞しています。アカデミー賞自体にも受賞作品はできるだけ見ようと思う程度の興味しかなく、授賞式も見たことがないのですが、それでもネットニュースのタイトルに今年の授賞式に「異…

「くれなずめ」ネタバレレビュー・あらすじ:舞台劇のノリで映画を撮ってみたら…

3年前の映画「君が君で君だ」のハチャメチャぶりが気に入って記憶に残っている松居大悟監督です。この「くれなずめ」までの間に2本ありますがあまり食指が動かず、やっと今作は期待できそうということで…。 くれなずめ / 監督:松居大悟 あまり映画的じゃな…

「孤狼の血」ネタバレレビュー・あらすじ:実録ヤクザ路線の時代劇化を目指すも…

痛いし、汚い映画です(ペコリ)。暴力シーンや女性の扱いにもうんざりしましたが、でもまあ、そういう映画ですし、松坂桃李さんがよかったのでいいんじゃないでしょうか。 「凪待ち」を見て白石和彌監督の評価が上がりましたので見てみた映画です。 孤狼の…

「海辺の彼女たち」ネタバレレビュー・あらすじ:ベトナム人技能実習生のある現実、なのだが…

映画の宣伝コピーに「技能実習生として来日したベトナム人……」とあれば、ほとんどの人は、技能実習生が不法な労働時間や賃金未払いなど過酷な環境で働かされる実態に迫った映画だろうと予想します(しないかな?)。 でも、ちょっと違っていました。おそらく…

「ジェントルメン」ネタバレレビュー・あらすじ:ガイ・リッチー監督のクライム・アクション・コメディ

マシュー・マコノヒーさん目当てで見た映画ですが、「ビーチ・バム まじめに不真面目」にしたほうがよかったかも(笑)。 ジェントルメン / 監督:ガイ・リッチー いきなりネタバレしますが… ネタバレあらすじとちょいツッコミ ガイ・リッチー監督 いきなり…

「タルロ」ネタバレレビュー・あらすじ:「羊飼いと風船」にいたるペマ・ツェテン監督の過渡期の映画

ペマ・ツェテン監督の2015年の作品、先日見た「オールド・ドッグ(2011)」と「羊飼いと風船(2019)」のちょうど真ん中、それぞれその間にもう一作ずつあるようでそれは見ていないのですが、映画のつくりの変化になるほどと思える映画です。 タルロ / 監督…

「聖の青春」ネタバレレビュー・あらすじ:松山ケンイチさんの映画としか言いようがない

この映画、松山ケンイチさんのそこまでやるか?!につきます。 「BLUE/ブルー」ではボクサーらしい身体に絞りきっていましたが、こちらは20kg増らしいです。その「BLUE/ブルー」を見た際に見ていないことを思い出し見てみました。 聖の青春 / 監督:森義隆 …

「スリー・ビルボード」ネタバレレビュー・あらすじ:看板の裏表と人間の裏表

今日の今日までハリウッド、少なくともアメリカ映画だと思いこんでいました。それゆえDVDでいいやとスルーしていたのを「ノマドランド」を見たことから、そういえばと思い出して見てみましたら、こんな映画だったの?! とびっくりした次第です。 スリー・ビ…

「オールド・ドッグ」ネタバレレビュー・あらすじ:映画から10年の今、老犬はいまだ死なず…を願う

今年の2月に見た「羊飼いと風船」のペマ・ツェテン監督、2011年の作品です。その年の東京フィルメックスでグランプリを受賞しています。 オールド・ドッグ / 監督:ペマ・ツェテン ラストシーンで一気にたちのぼる物語性 馬、バイク、走り抜けるトラック 息…

「街の上で」ネタバレレビュー・あらすじ:誰も傷つかいない閉じた世界の恋愛ファンタジー

この人たちの頭の中には恋愛しかないのか?(笑)という映画です(ペコリ)。 全編いわゆる恋バナの映画です。 街の上で / 監督:今泉力哉 誰も傷つかない(漫画的)恋愛ファンタジー ネタバレあらすじとちょいツッコミ 恋バナだけでは先がなくはないか… 誰…

「ゴッズ・オウン・カントリー」ネタバレレビュー・あらすじ:ジョシュ・オコナーの存在感に尽きる

映画関連サイトでよく目にする「ゴッズ・オウン・カントリー」、いまだ見ておらず、ずっと気になってはいたのですが、先日「アンモナイトの目覚め」を見た機にやっと見られました。 フランシス・リー監督、2019年の映画です。 ゴッズ・オウン・カントリー /…

「SNS-少女たちの10日間-」ネタバレレビュー・あらすじ:正義の皮を被った興味本位の映画

こんな映画見なきゃよかったです。 「るろうに剣心」を見たかったんですが、どうせ満員だろうと敬遠してこれを見てしまいました。内容の気持ち悪さはもちろんありますが、それよりもこの映画の製作自体が極めて胡散臭いです。 SNS-少女たちの10日間- / 監督…