映画

「浜の朝日の嘘つきどもと」ネタバレレビュー・あらすじ:高畑充希さんら俳優が映画を救う

タナダユキ監督の映画では初めてよかったと思った作品かもしれません(ペコリ)。 「赤い文化住宅の初子」以来、数本は見ているのですが、どちらかと言いますとステレオタイプな人物でドラマをつくる印象が強く、過剰な演出を感じるからだと思います。 でも…

「テーラー 人生の仕立て屋」ネタバレレビュー・あらすじ:紳士服の世界をウェディングがエレガントに覆う

ギリシャで育ち、アテネとロンドンで映画製作を学んだというソニア・リザ・ケンターマン監督の初の長編映画です。1982年生まれですから現在39歳です。 ちょっと変わった、といいますか、ユニークな感性を感じます。 テーラー 人生の仕立て屋 / 監督:ソニア…

「アナザーラウンド」ネタバレレビュー・あらすじ:娘の死のせいか、色濃く漂う破滅欲求

「What is youth? A dream. What is love? The dream’s content.」 キェルケゴールの言葉から始まります。直訳では「若者とは何ですか?夢。愛とは何ですか?夢の内容」となりますが、映画を見た印象からすれば、「若さとは何だ? 夢さ。愛とは何だ? 夢を見…

「くじらびと」ネタバレレビュー・あらすじ:手漕ぎ船と一本の銛で鯨に挑む

数日前に劇場で見た予告編、銛一本で巨大なクジラに向かって海に飛び込んでいく人の姿に驚き、早速見に行った映画です。 くじらびと / 監督:石川梵 手漕ぎ船と銛一本 3つの視点と美しい映像 血に染まる海 ラマレラの人々の本当の姿か 手漕ぎ船と銛一本 そ…

「沈黙のレジスタンス」ネタバレレビュー・あらすじ:マルセル・マルソー、レジスタンに身を投じる

パントマイムといえばマルセル・マルソーさんと、すぐにその名前が出てくる方ですが、パントマイム・アーティストとして世に出るのは第二次世界大戦後のことです。この映画は、その戦争中にナチス・ドイツに対するレジスタンスとして活動していた時代を描い…

「鳩の撃退法」ネタバレレビュー・あらすじ:藤原竜也×西野七瀬、男女バディーものでいけるんじゃない

この映画を見た理由は「鳩の撃退法」のタイトルにつられただけです(笑)。それだけ映画のタイトルは重要ということでもあります。 原作者の佐藤正午さんの名前は見聞きはしていますが読んだことはなく、同名タイトルの原作も知らなかったということです。も…

「孤狼の血 LEVEL2」ネタバレレビュー・あらすじ:サイコパス映画でした。今や、ヤクザ映画は成り立たず?

この映画を見るために一作目の「孤狼の血」を見て、さらに柚月裕子さんの原作『孤狼の血』まで読んでいます(笑)。 んー、これはヤクザ映画ではなくサイコパス映画ですね。 原作には続編があり三部作となっているのですが、映画はそれとは関係がないようで…

「Summer of 85」ネタバレレビュー・あらすじ:ロッド・スチュワート「セイリング」の2シーンが美しい

人には誰でもどう生きるかといった人生に対するスタンスのような代えがたい価値観のようなものがあると思います。それは、自分の人生に対することだけではなく、社会的な出来事や身の回りの人間関係の見え方にも影響します。 当然、そうしたものは創作物にも…

「ドライブ・マイ・カー」ネタバレレビュー・あらすじ:細かすぎて伝わらないと音が加福に言う

濱口竜介監督、私個人としても評価は高く、大いに期待する監督のひとりですので批判という意味ではなく言えば、映画としてはちょっとやり過ぎじゃないかと思います。言い方をかえれば、力が入り過ぎている感じがしますし、映画の特質である(と私が思う)直…

「ひとくず」ネタバレレビュー・あらすじ:児童虐待が人情噺に利用されている

現在の社会問題を昭和の価値観で片付けてしまってはなにも生まれないと思います。 「10ANTS」という劇団の上西雄大さんという方が監督であり、主人公である男性を演じている映画です。劇団(兼芸能プロダクション)のウェブページをみてみますと、「かつての…

「すべてが変わった日」ネタバレレビュー・あらすじ:Let him go はアメリカ社会の裏の一面かも

ラリー・ワトソン(Larry Watson)さんという作家の同名タイトル「Let him go」という小説が原作らしく、その小説の時代設定は1951年であるところを映画では1963年にしています。 なぜこんなに中途半端に時代をずらしたのでしょう。 アメリカ人にとっては、…

「モロッコ、彼女たちの朝」ネタバレレビュー・あらすじ:少ない台詞と抑制された演出で静かなるフェミニズム

予想に反してとてもいい映画でした。 劇場で本編映画の前に流れる予告編をぼんやり見た印象と邦題「モロッコ、彼女たちの朝」の響きから、それぞれ問題を抱えるふたりの女性が助け合いながら問題を解決していく甘めのハッピーな映画なんだろうと思っていまし…

「mid90s ミッドナインティーズ」ネタバレレビュー・あらすじ:青春ノスタルジーは男の特権か?

湿っぽさのないノスタルジック青春映画という感じがします。 1990年代半ばのロサンゼルス、家庭環境のせいで居場所を見いだせない13歳の少年が、スケボー仲間と出会い、背伸びして仲間に入ろうとする話です。 映画が描いているのはそれだけですが、それだけ…

「サマーフィルムにのって」ネタバレレビュー・あらすじ:伊藤万理華と金子大地の大立ち回り、サブカルがメインになる日

始まってしばらくは、なんだ…学生の卒業制作か…と、公開日早々に見に来たことを後悔していたんですが、金子大地さんが登場し中盤に入りますと、ん? 何か違うぞと思い始め、終盤に向かってどうまとめるんだろうと期待も膨らみ、終わってみれば、んー、うまい…

「名もなき歌」映画・ネタバレレビュー・あらすじ:1988年のペルー、乳児売買、センデロ・ルミノソ、先住民の貧困、同性愛

1988年頃のペルーを舞台にした映画です。 どんな時代だったのかざっとウィキペディアから拾いますと、1985年に誕生したアラン・ガルシア大統領の経済政策の失敗によりハイパーインフレになっており、その影響もあって反政府勢力のセンデロ・ルミノソが勢力を…

「イン・ザ・ハイツ」ネタバレレビュー・あらすじ:ラテン系ヒップホップのMV的ミュージカル映画

2008年にトニー賞の作品賞、楽曲賞、振付賞、編曲賞を受賞しているブロードウェイ・ミュージカルの映画化です。 たまにはミュージカルでもと軽い気持ちで見に行きますと疲れるかもしれません(笑)。 イン・ザ・ハイツ / 監督:ジョン・M・チュウ 楽しめる…

「返校 言葉が消えた日」ネタバレレビュー・あらすじ:白色テロ下の純愛が悲劇を生む

ゲームが原作の映画ということで見るのを迷ったのですが、見てみればあまり違和感はなく、前半はともかく、後半は映画らしくまとまっていました。ゲームと言えば敵と戦ってパワーアップしていくイメージしか持っていなかったのですが、こうした物語でもゲー…

「復讐者たち」ネタバレレビュー・あらすじ:実話に基づくホロコーストの復讐計画「プランA」

ホロコーストサバイバーの復讐劇、事実に基づく物語ということです。 「Nakam(ナカム)」というヘブライ語で復讐という意味を持つグループの存在や映画で描かれるニュルンベルクの水道に毒を流し込んで無差別にドイツ人を殺害しようとした「Plan A」という…

「走れロム」ネタバレレビュー・あらすじ:ベトナムのストリートチルドレン走る

ベトナム映画です。 ベトナム公式の宝くじに便乗しておこなわれている(らしい)違法ギャンブル「sốđề」という闇くじを生活の糧にしているストリートチルドレンを描いています。 走れロム / 監督:チャン・タン・フイ監督 短編映画「16:30」 何をやろうとし…

「少年の君」ネタバレレビュー・あらすじ:よくできた泣けるガール・ミーツ・ボーイだが…

今年のアカデミー賞国際映画賞にノミネートされた中国映画です。 昨年2020年の大阪アジアン映画祭では観客賞を受賞しています。見れば、そりゃ観客賞受賞でしょうという泣かせる感動ものです。 少年の君 / 監督:デレク・ツァン ガール・ミーツ・ボーイ ネ…

「プロミシング・ヤング・ウーマン」ネタバレレビュー・あらすじ:レイプリベンジ、ラブコメ、スリリングだが…#MeTooの消費かも

今年のアカデミー賞脚本賞を受賞しているんですね。そんなことも知らずに見ていました。それに作品賞、監督賞、主演女優賞、編集賞にもノミネートされていたようです。 プロミシング・ヤング・ウーマン / 監督:エメラルド・フェネル プロミシング・ヤング…

「17歳の瞳に映る世界」ネタバレレビュー・あらすじ:瞳に映る世界ではなく女性たちが今現在置かれている世界

原題の「Never Rarely Sometimes Always」の意味がわかるシーンは圧巻です。 その一連の質問をオータムにしている女性は俳優ではなく実際の人工妊娠中絶クリニックのカウンセラーとのことです。 17歳の瞳に映る世界 / 監督:エリザ・ヒットマン 女性たちが…

「わたしはダフネ」ネタバレレビュー・あらすじ:母を亡くしたダウン症の女性と父親の旅

2019年のベルリン映画祭パノラマ部門で国際批評家連盟賞を受賞しています。 わたしはダフネ / 監督:フェデリコ・ボンディ カロリーナ・ラスパンティさんの映画 ネタバレあらすじ ドキュメンタリーという選択もあったのでは? カロリーナ・ラスパンティさん…

「海辺の金魚」ネタバレレビュー・あらすじ:小川紗良監督への期待と小川未祐さんへの驚き

小川紗良監督、現在25歳、ウィキペディアで経歴を見る限り、どういう経緯でこの映画を撮ることになったんだろうと不思議でしたが、インタビュー記事を読みますと、自主制作の延長線のような感じで広がっていったようです。 主演の小川未祐さんともう一度一緒…

「湖底の空」ネタバレレビュー・あらすじ:ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2020グランプリ作品

女性がプールで上向きに浮かんでいる画やその女性がプールの底でしゃがんでいるトレーラー内のカットに目が止まり見てみました。監督は佐藤智也さんという方で、この映画は「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2020」のグランプリ作品です。 湖底の空 / …

「ライトハウス」映画・ネタバレレビュー・あらすじ:プロメテウス、サシャ・シュナイダーまではわかったけど…

最も苦手な映画を見てしまいました(笑)。 評判だったらしい同じロバート・エガース監督の「ウィッチ」という映画も知らず、この「ライトハウス」がスリラーだということもはっきりとは認識せず、なんとなく目にした「人間の狂気」とか「幻想的」とか「美し…

「アジアの天使」ネタバレレビュー・あらすじ:俳優たちの本音のぶつかりあいがなく緊張感がない

昨年(2020年)末の「生きちゃった」から今年に入ってついひと月前の「茜色に焼かれる」、そしてこの「アジアの天使」と続けざまに石井裕也監督の映画を見ています。 たまたま公開が重なったということなんでしょうが、映画の内容や出来からすると、何を撮り…

「1秒先の彼女」ネタバレレビュー・あらすじ:奇跡のラブストーリー?ちょっと待てよ…

チェン・ユーシュン監督が「台湾ニューシネマの異端児」と呼ばれているとの紹介に目が止まった映画です。ただ、その言葉が当てはまるのは1995年の「熱帯魚」や1997年の「ラブゴーゴー」の二十数年前のことだと思います。その後2013年の「祝宴!シェフ」まで…

「いとみち」ネタバレレビュー・あらすじ:すべてにおいて過不足なく完璧!

横浜聡子監督、2016年の「俳優 亀岡拓次」以来です。長編ではその前が2008年の「ウルトラミラクルラブストーリー」ですから、なかなか撮りたいものの環境が整わないということなのか、もっと撮って欲しい監督のひとりです。 で、「いとみち」、完璧でした。…

「バクラウ 地図から消された村」ネタバレレビュー・あらすじ:アナーキーな村、バクラウ、アナーキーな映画、バクラウ

昨年(2020年)末の劇場公開時に見ているのですが、書きかけでそのままになっていた映画です。かなり記憶も薄れてしまいましたのでDVDを見てみました。 前半は散漫な感じでDVDじゃ集中できませんが、やはり後半はぐっと惹きつけられます。次第に映画の向かっ…