そんなには褒めないよ。映画評

映画を見てから読むブログ

「洗骨」(ネタバレ)ラスト、洗骨&〇〇シーンの静かな盛り上げ方がうまいです

チベットの鳥葬という埋葬方法を知ったときは、驚きはしてもその文字からおおよそ想像はできたのですが、この洗骨というのは、骨を洗うことはわかっても具体的にいつどうやって洗うのかは想像できません。 洗骨 / 監督:照屋年之 映画を見るとわかります。…

「ナチス第三の男」(ネタバレ)ハイドリヒ暗殺計画が題材の二部構成ダイジェスト版映画

2014年の本屋大賞「翻訳小説部門」第1位『HHhH プラハ、1942年』(ローラン・ビネ:著、高橋啓:訳)が原作の歴史もの映画で、 原作タイトルの「HHhH」とは、「Himmlers Hirn heiβt Heydrich(ヒムラーの頭脳、すなわちハイドリヒ)」を表す。(図書新…

「ファースト・マン」ほぼ史実でしょうからネタバレなどなにもなく、映像と音楽を楽しみましょう

1969年7月21日02:56(UTC)(ウィキペディア)、人類で初めて月に降り立ったファースト・マンであるニール・アームストロングさんを描いた映画です。ちょうど50年前ですね。 ファースト・マン / 監督:デイミアン・チャゼル これは、IMAXとドルビーアトモス…

「ともしび」(ネタバレ)なしのただシャーロット・ランプリングを見続ける映画

一昨年、2017年のヴェネツィア映画祭でシャーロット・ランプリングさんが主演女優賞を受賞しています。 ともしび / 監督:アンドレア・パラオロ シャーロット・ランプリングさんの肖像画を90分間見続けるような映画です。 映画は物語を語ることを拒否してお…

「バーニング劇場版」(ネタバレ)これは村上春樹ワールドへのアンチテーゼかも?

「バーニング劇場版」なんていうタイトルですからテレビドラマの劇場版かと思いスルーしそうでした。イ・チャンドン監督の文字がふっと目に入り見逃さずにすみました。 バーニング劇場版 / 監督:イ・チャンドン 劇場版の意味はすでに NHKで放映されたから…

「天才作家の妻 40年目の真実」(ネタバレ)グレン・クローズさん、オスカー決定でしょう!

主演のグレン・クローズさんがアカデミー主演女優賞にノミネートされているとのこと、間違いなく受賞でしょう。ガガさんも良かったのですが、あれはガガさん本人が良かったということですが、こちらは俳優として素晴らしいです! 天才作家の妻 40年の真実 /…

「ジュリアン」(ネタバレ)これは、DV加害者、DV被害者の心理を描こうとした映画ではない

2017年ヴェネチア映画祭の銀獅子最優秀監督賞を受賞しています。グザヴィエ・ルグラン監督は現在39歳のフランス人、この映画が初の長編とのことです。 ジュリアン / 監督:グザビエ・ルグラン なかなかテーマや監督の立ち位置がわかりにく映画です。 もちろ…

「チワワちゃん」(ネタバレ)28歳が撮っても、やっぱり40代のノスタルジー

さすがにこのタイトルですので何も知らずに見に行くことはありませんが(笑)、映画.com あたりの「ヘルタースケルター、リバーズ・エッジ…漫画家…SNSが普及した現代の東京を舞台…」をちらりと見ただけでしたので、何だか妙に古臭い話だなあとの違和感で、見…

「シシリアン・ゴースト・ストーリー」(ネタバレ)実話ベースと知らずに見るとちとつらい、知って見ても…

何も知らずに、愛する人の前に幽霊が現れる、いわゆるゴースト・ラブストーリーものだろうと見に行きましたら、確かにラブストーリー要素はあったのですが、オープニング、いきなり不吉な印象のシーンで、なんだこれ!? のぞわぞわ感、なんとも落ち着かない…

「ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー」今年2019年がサリンジャー生誕100年、よく出来た伝記映画です

今年2019年がJ.D.サリンジャーの生誕100年になります。 映画は、サリンジャー20歳くらいから、『ライ麦畑でつかまえて』が完成し出版された1951年、32歳ごろまでを描いた伝記映画です。その後、クレアという女性と二度目の結婚をし、一男一女をもうけ、50歳…

「夜明け」(ネタバレ)鮮烈デビューの新人監督に厳しいことを書いてしまった(ペコリ)

「是枝裕和・西川美和監督が立ち上げた制作者集団「分福」が満を持して送り出す新人監督、広瀬奈々子」さんのデビュー作です。 なんてこと書かなくても、多くの人がこの映画に興味を持たれたのはおそらくこのコピーからでしょう。 夜明け / 監督:広瀬奈々子…

「喜望峰の風に乗せて」(ネタバレ)これはもったいない映画だ…、如何ようにも描けるのに。

こんな映画だったのかい!? 邦題から感じる印象とは真逆の映画でした。 喜望峰の風に乗せて / 監督:ジェームズ・マーシュ 配給の狙いをどうこう言っても始まりませんのでどうでもいいのですが(笑)、成功物語かと思って見ていましたら、なんと挫折物語で…

「未来を乗り換えた男」(ネタバレ)シュール、シュールと唱えて見ないと理解できないよ

この映画を自分の価値観の中に引き込んで見ようとすると、おそらく前半でお手上げになるでしょう。危ないところでした。心も頭も解き放ってじっとスクリーンを見つめていれば、やがて静かなる感動と、そして見終えて後の、疑問の嵐に見舞われることでしょう…

「あみこ」(ネタバレ)こういう才能が継続的に映画が撮れるといいのですが…

映画.com から宣伝コピーを引用しますと、 第39回ぴあフィルムフェスティバルで取り上げられ、PFFアワードで観客賞を受賞。その後も、第68回ベルリン国際映画祭のフォーラム部門に史上最年少で招待されたほか、香港国際映画祭やカナダのファンタジア映画祭な…

「MAKI マキ」(ネタバレ)なぜこの物語を撮ろうとしたのか興味はあるが…

イラン人のナグメ・シルハン監督がニューヨークの日本人コミュニティを舞台にした物語を撮った映画です。ただ、日本人コミュニティといっても、日本人ビジネスマン相手のクラブが舞台ですから、かなり限定的な世界ではあります。 公式サイト / 監督:ナグメ…

「葡萄畑に帰ろう」(ネタバレ)権力の象徴「椅子」をめぐる映画、ではなく音楽とワインの映画かも?

この映画は結局のところ、と、いきなり結局というのもなんですが、英題(原題も?)が「The Chair」であるにもかかわらず、邦題を「葡萄畑に帰ろう」とせざるを得ないという、そのことがもっともよくこの映画を現しているのだろうと思います。 公式サイト /…

「家へ帰ろう」(ネタバレ)叙情的になりやすい物語をストイックにまとめた監督の手腕に拍手

大晦日に見ましたら、号泣でした(笑)。 公式サイト / 監督:パブロ・ソラルス 「観客賞総ナメの感動作!」の宣伝コピーも嘘ではないですし、感動作云々以上に映画作りのセンスがいいです。監督でもあるパブロ・ソラルスさんのシナリオがいいです。主演の…

「ピアソラ 永遠のリベルタンゴ」プラベートフィルムは多いが伝記的映画を期待すると残念

冒頭の海の映像を背景にしたカットがいいなあと思いつつ、何だろう?と思っていましたら、2017年がピアソラの没後25年ということでアルゼンチンで回顧展があり、(多分)その会場のエントランスから階段を上がったところのイメージビジュアルじゃないかと思…

「暁に祈れ」(ネタバレ)2時間の暴力、暴力、暴力…

予告編を見て、「名もなき塀の中の王」のような映画かと期待したんですが全く違っていました。もしこれから見ようという方がいらっしゃいましたら、公式サイトなどをよく読んで、よく考えてからにしたほうがいいです(笑)。私は、ほぼ最後までこの映画が一…

「メアリーの総て」(ネタバレ)フランケンシュタインは18歳の女性によって生み落とされた!

ハイファ・アル=マンスール監督といえば、サウジアラビア出身の監督で、前作の「少女は自転車にのって」がとてもいい印象の映画でした。もう5年前になります。公開当時、サウジアラビアには映画館がないという話があり、びっくりしたのですが、その後どう…

「アリー スター誕生」(ネタバレ)自然体のガガさんがいいですし、とにかく音楽がいいです。

レディー・ガガさんって、どちらかといいますと、(大して知らなかったので)音楽よりもビジュアル先行の歌手という印象だったのですが、歌唱力半端ないですね。それに俳優としても存在感があります。 公式サイト / 監督:ブラッドリー・クーパー 「A STAR …

「宵闇真珠」(ネタバレ)アンジェラ・ユンも宵闇真珠のタイトルもいいんだけどね…

この映画、その内容や出来不出来よりも、どういう経緯でこの映画ができたのかの方に興味がいっちゃいますね。 公式サイト / ジェニー・シュン、クリストファー・ドイル と言いますのは、まあ、映画の出来自体はよろしくないんですが、クリストファー・ドイ…

「マイ・サンシャイン」(ネタバレ)ハル・ベリーとダニエル・クレイグのキャスティングが意味不明

意識しているのかどうかはわかりませんが、「チョコレート」を思わせるようなキャスティングですね。 公式サイト / 監督:デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン という思いがあったせいか、ダニエル・クレイグが一向に絡んでこず、前半など、窓からちらりと裸(…

「マチルダ 禁断の恋」(ネタバレ)歴史大作かと思いきや、ドタバタ恋愛ADVのようでした。

重厚な歴史ドラマを期待していったのですが、バラエティのような映画でした(笑)。 公式サイト / 監督:アレクセイ・ウチーチェリ 多少は歴史ドラマの趣もありますが、突然下世話な恋愛ドラマになったり、おいおいオカルトかい?と思わせたり、何?スポ根…

「ポルトの恋人たち 時の記憶」(ネタバレ)18世紀のポルトと2021年の浜松、同じプロットの悲恋物語だが…

舩橋淳監督と言えば「谷中暮色」の監督ですね。 谷中という街の持つ雰囲気もあってか、不思議と印象に残っている映画です。不思議というのは、映画の完成度としてはさほどでもなかったのに何とはなく良かったという意味合いです(笑)。 公式サイト 監督/舩…

「来る」映画(ネタバレ)笑いが止まらなくて、怖いぞー…

この映画を楽しむコツはただ何も考えず時間に流されてぼんやり見ていることです。何がどうなっているの?なんて考えて見ていると疲れます。映像的にも、音楽(音響)的にもどっと疲れます。 以下、いきなりネタバレしています。 公式サイト / 監督:中島哲…

「セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー!」(ネタバレ)1991年ソ連崩壊の年、キューバは宇宙とつながっていた!

キューバ映画ってだけでも興味をそそられます。キューバが舞台であったり、キューバ絡みの映画はそこそこ見ることはありますが、キューバ映画そのものってなかなか思い浮かびません。 公式サイト / 監督:エルネスト・ダラナス・セラーノ 監督は1961年生ま…

「ヘレディタリー 継承」無茶苦茶なネタバレ、面白かったと思う人は読まないで…。

年に数本ある 金返せぇぇぇぇぇぇぇー! の1本です(笑)。 公式サイト / 監督:アリ・アスター 宣伝文句の 今年のサンダンス映画祭で「ホラーの常識を覆した最高傑作」「現代ホラーの頂点」と批評家から最高の評価を受け全米を震撼させたホラー映画がつい…

「ちょっと今から仕事やめてくる」前半ぞわぞわ、後半もぞもぞ。コメディじゃなかったのね。

DVD鑑賞です。 公開時、タイトルが目につき、見ようかどうしようかと思いつつ、どうせコメディの苦手なタイプだろうと思い込んでスルーした映画、全然コメディじゃなく、むちゃくちゃシリアスじゃないですか!? 公式サイト / 監督:成島出 前半は面白く見…

「バルバラ セーヌの黒いバラ」映画としてはよくできているが、バルバラに思い入れがないと難しい

公式サイト / 監督:マチュー・アマルリック フランスの歌手バルバラを描いた映画なんですが、 これは、バルバラに相当思い入れがあり、なおかつ、バルバラについても相当詳しく知っていませんと見ていても楽しめない映画です。 私も、ほとんど日本人歌手の…