映画

「破壊の日」(ネタバレ・レビュー)豊田利晃監督、変われ!と叫ぶ

変われ!! 破壊の日 / 監督:豊田利晃 と言われて、変わらなくっちゃと思うか、変えなくっちゃと思うか、あるいは はあ? と思うか、はたまたお前こそ変われと思うか、人それぞれという映画でしょうか。 クラウドファンディングで制作資金が集められた映画…

「君が世界のはじまり」(ネタバレ・レビュー)この一昔前感はふくだももこのもの?向井康介のもの?

ふくだももこさんという名前、なにで見たのかなあ?と記憶をたどってみましたら「おいしい家族」を見ようか見まいかと迷った時でした。 結局見なかったのですが、今回は松本穂香さんと脚本の向井康介さんの名前が目に入り見ることにしました。 君が世界のは…

「あなたの顔」ツァイ・ミンリャン監督、坂本龍一音楽

2013年のヴェネチア映画祭で「郊遊 ピクニック」が上映された際に引退を語った(らしい)ツァイ・ミンリャン監督ですが、真意は商業主義的なシステムでは撮らないということだったらしく、実際それ以降もショートフィルムやドキュメンタリーをたくさん手がけ…

「ドヴラートフ レニングラードの作家たち」(ネタバレ・レビュー)美しき長回し、重層的な台詞、再現される1971年のソビエト

映画の内容、特に台詞は半分も理解できていないと思いますが面白かったです。 DVD化されればぜひもう一度見たい映画です。 ドヴラートフ レニングラードの作家たち / 監督:アレクセイ・ゲルマン・Jr. まずセルゲイ・ドヴラートフという作家自体を知りませ…

「はちどり」(ネタバレ・レビュー)キム・ボラ監督の記憶の映画のように見える…

全編、幻を見ているような映画です。 あるいは、思春期、この映画のウニは14歳ですが(私には)すでに遠い過去になってしまったあの頃、世界はこう見えていたのかもしれません。 はちどり / 監督:キム・ボラ …とは思うのですが、映画としては非常にわかり…

「LETO レト」(ネタバレ・レビュー)80年代ソ連の切ない青春物語と皮肉を込めた反権力

半月ほど前に見た「WAVES ウェイブス」に対しては「初めから終わりまでべったりくっついた音楽がうるさいですし、画のつくりがあざとすぎる」とやや(かなり?)批判的に書きましたが、この映画も同じようにほぼ全編音楽がついており、画の点でも下の画像の…

「リトル・ジョー」(ネタバレ・レビュー)寓話的ファンタジーなのだが寓話性が足りず

「ルルドの泉で」のジェシカ・ハウスナー監督の最新作です。主演のエミリー・ビーチャムさんが昨年2019年のカンヌで女優賞を受賞しています。 ハウスナー監督の映画は日本ではほぼ10年ぶりということになりますが、2014年に「Amour fou」という映画を撮って…

「グレース・オブ・ゴッド 告発の時」(ネタバレ・レビュー)現在進行中の実話を描くフランソワ・オゾン監督

公式サイトには現在でも裁判が進行中とあります。 フランス、リヨンのカトリック教会の聖職者による児童への性的虐待事件を描いた映画です。実話に基づいているということで、エンドロールの前にその後の裁判の経過がスーパーで入っており、確か2020年の日付…

「劇場」(ネタバレ)松岡茉優さんがうますぎて共依存恋愛が純愛にみえてしまう

なんだか無茶苦茶イヤな映画でした。 でもまあ、きっと原作者の又吉直樹さんも監督の行定勲さんもわかってやっているんだろうとは思います。 劇場 / 監督:行定勲 何がって? この物語が共依存恋愛を描いているという自覚と、それが演劇であれ映画であれ音…

「ステップ」(ネタバレ)子育て映画ではなく、家族主義的感動(させたい)映画だった

山田孝之さんがシングルファーザー? ってことで見てきました。 ステップ / 監督:飯塚健 始まってしばらくは、少しふっくらした印象もあり、へぇー、こういう役もいけるんだと見ていたんですが、映画が進むにしたがって、でも待てよ、この俳優さん、風変わ…

「バルーン 奇蹟の脱出飛行」(ネタバレ)東ドイツからの脱出劇、緊迫感のつくりがやや単調か

冷戦時代の東ドイツから脱出する映画というのは結構あるのではという印象でしたが、思い返したりググったりしてみても意外にもこの映画のようにズバリ脱出の行為自体を主題にしたものはあまりないようです。 最近の映画で思い出すのは「僕たちは希望という名…

「グッド・ワイフ」(ネタバレ)1982年のメキシコのセレブ妻たちの映画を日本でやる意味ある?

「グッド・ワイフ」でググりましたら、何だこりゃ? テレビドラマが無茶苦茶ヒットします。同タイトルのアメリカのテレビドラマあるんですね。それに日本版のリメイク版まであります。まったく知りませんでした。 釣りタイトルだったようです(笑)。 ただ、…

「WAVES ウェイブス」(ネタバレ)映画が MV 化がする

新しいスタイルの映画かもしれないと期待する気持ちもないわけではありませんが、個人的にはちょっとばかり入れないタイプの映画です。 ですので、いいことは書けそうもありません。 WAVES ウェイブス / 監督:トレイ・エドワード・シュルツ いきなり批判的…

「銃2020」(ネタバレ)「銃」2018版のリベンジ版かと期待したのにコメディでした(笑)

「銃」で失敗したのでリベンジ版の「銃2020」かと思いましたら、まったくもって同じ程度に映画になっていない映画でした。 と言うよりも吉本興業の芸人救済映画なのかもしれません。 銃2020 / 監督:武正晴 それにしてもわずか2年の間に同じような企画の映…

「ホドロフスキーのサイコマジック」行動せよと促すサイコマジックはコロナ後の世界に必要なことかも…

サイコセラピー(心理療法)と言いますと、映画でもそうしたシーンを見ることがありますが、治療を受ける患者が寝椅子に横たわり、セラピストからの問いかけに答えていくスタイルが思い浮かびます。この映画のなかでも言われていますが、その療法は言葉のや…

「一度も撃ってません」(ネタバレ)小ネタは笑えるが映画としてはそれだけでは持たなく物足りない

たまにはこういう映画もいいですし、くすくすと笑えはしますが、やっぱりこういう映画の場合は軸となる俳優がいないと持たないなあとも感じます。 それに俳優たち自身が楽しむための映画でもあります。皆楽しそうにやっていました。 一度も撃ってません / …

「MOTHER マザー」(ネタバレ)再び、全員ミスキャストに見えてしまう、それは監督の責任

タイトルに書いた「再び、全員ミスキャストに見えてしまう、それは監督の責任」の「再び」は、大森立嗣監督の2017年の映画「光」との関連からの言葉です。 やろうとしていることが映画として見えてこず、キャスティングに問題があるようにみえるということで…

「罪と女王」(ネタバレ)禁断の愛的旧態依然の映画にしか見えないけど

どう見ていいのか難しい映画ですね。 アンネはなんて悪いやつって思うように作ってありますし、未成年者への性的虐待と聞いて思い浮かべる男女を逆転させてありますし、タイトルを「女王」という意味らしい 「Dronningen」にしていますし、そして、そもそも…

「ワイルド・ローズ」(ネタバレ)ジェシー・バックリーがいい。成功でも挫折でもない決意の物語。

監督は「リリーのすべて」や「英国王のスピーチ」のトム・フーパーさんかと思ったのですが、よーく見ましたらひと文字違いのトム・ハーパーさんでした(笑)。初めてです。 映画は思いのほかよかったです。 ワイルド・ローズ / 監督:トム・ハーパー 基本は…

「在りし日の歌」(ネタバレ)編集のまずさが映画を壊している

この単調さで3時間超はちょっとばかりつらいですね。 その上、編集が時間軸をあっちへ行ったりこっちへ行ったり(来たり?)と最後まで散漫です。これでは伝わるものも伝わりません。 もし見ようと思われるのであれば、少なくとも公式サイトには目を通してお…

「ペイン・アンド・グローリー」(ネタバレ)アルモドバル監督の自伝的フィクションの物語

アルモドバル監督自身が、この映画は三部作の第三章にあたると語っているようです。ただしあくまでも「意図したことではない」とのただし書きつきです。 意図せずケリがついちゃったということはとうとうアルモドバル監督も自分の映画を振り返る年齢になって…

「コリーニ事件」(ネタバレ)不都合な過去、負の記憶に目をつむってはいけない

ドイツ映画の法廷ドラマで、「ドイツ史上最大の司法スキャンダル」とか「ドイツ国民誰もが知りたくなかった真実」という言葉で語られるとすれば、その真実が何かはおおよそ見当がつきます。 コリーニ事件 / 監督:マルコ・クロイツパイントナー やはり予想…

「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」(ネタバレ)グレタ・ガーウィグ監督の自由な価値観があふれる

四姉妹の台詞のアンサンブルがすごいです! グレタ・ガーウィグ監督(脚本も)の才能が爆発しています。 それにキャスティングもすごいです。 ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語 / 監督:グレタ・ガーウィク 始まってしばらくは混乱するかもし…

「ワンダーウォール 劇場版」青春の挫折は蜜の味

上映館の映画紹介を見て、ああ予告で見た京大の吉田寮のやつねと適当な記憶だけで見に行ったんですが意外にも(ペコリ)集中して見られました。 そもそも予告を見たというのも記憶違いかも知れませんし、NHKで放送されたドラマの再編集版ということも、ちゃ…

「その手に触れるまで」(ネタバレ)ラストはどちらに取るにしても衝撃的。怖さだけが残らなければいいが…

ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟監督、ほぼ3年に1本というペースが守られています。映画制作のプロセスが3年で出来上がっているんでしょうか、今回も2016年の「午後8時の訪問者」に続いての「その手に触れるまで Le jeune Ahmed(Young Ahmed)…

「アンティークの祝祭」(ネタバレ)ラストが衝撃的、カトリーヌ・ドヌーヴ、キアラ・マストロヤンニ母娘共演

かなり衝撃的なラストです。 そっちで売ればよかったのにと思いますが、まあ映画自体焦点がはっきりしないところがあり、どうしてもこの映画を売ろうとすればカトリーヌ・ドヌーヴさんとキアラ・マストロヤンニさんの母娘共演を持ってくるしかないとは思いま…

「ルース・エドガー」(ネタバレ)よい黒人は受け入れられ、わるい黒人は排除される

なんだかわかりにくい映画だなあと思いながら、考えがまとまらず、はや3日経ってしまいました(笑)。 わかりやすい映画を望んでいるわけではありませんし、この映画の場合、テーマは明快ですし描いていることはわかるのですが、描かれるのは今現在起きてい…

「ポップスター」(ネタバレ)ナタリー・ポートマンがマドンナ、レディ・ガガになる

面白い映画でした。 ただ、映画そのものが面白いということではなく、この映画、何をやろうとしているんだろう? と考えながら見ていましたら、最後まで集中してみられたという意味です(笑)。 ポップスター / 監督:ブラッディ・コーベット とにかく、つ…

「デッド・ドント・ダイ」(ネタバレ)ゴドー待ちのバリエーションとしてみれば面白い

ジム・ジャームッシュ監督のゾンビ映画です。 ホラー度ゼロ、パニックシーンなしの一風変わった映画で、コメディかと言われれば確かに笑えるところはありますのでそれをオフビートととらえればジャームッシュ監督らしいとも言えるのですが、なんとも奇妙な映…

「一度死んでみた」(ネタバレ)ボケとツッコミ連発、イマドキの軽やかな映画

すでに映画館が再開されてから10日ほど経ちますが、いっこうに新作が公開されません。東京で再開されなければ新作は公開されないということです。 そうしたことでもなければ見なかったであろう「一度死んでみた」を見てきました。 一度死んでみた / 監督:…