映画

「チィファの手紙」ネタバレ・レビュー・あらすじ/ラストレターよりは感傷さが薄まり見やすい

「ラストレター」の中国版です。岩井俊二監督自ら監督しています。ただリメイクというわけではなく、この中国版のほうが先に制作されているようですし、それにリメイクですと新たな視点とか他文化の視点とかが入りますが、この映画はほとんど「ラストレター…

「TENET テネット」(ネタバレ・レビュー)難解複雑さは愛が紐解く

クリストファー・ノーラン監督、私はあまりよく知らなく、「ダンケルク」を劇場で、その後「インターステラー」をDVDで見ただけですが、この映画の宣伝コピーなどをみていますと名前で客が呼べる監督のようです。 確かに上の二作を見ただけの私でも、やはり…

「ソニア ナチスの女スパイ」(ネタバレ・レビュー)ソニア・ヴィーゲット復権のノルウェー国内向けの映画

いくら日本人がナチス絡みの映画を好きだからといってもこの映画は日本じゃ無理でしょう。 「第二次世界大戦中、ナチス占領下のノルウェー。女優として活躍しながらスパイとしてナチスに潜入した女性の驚愕の実話。 激動の時代を生き抜いたソニア・ヴィーゲ…

「窮鼠はチーズの夢を見る」(映画・ネタバレ・レビュー)ボーイズラブは純愛の幻を見る

最近では映画を見ますと、これを女性で描いたらどうなるんだろうとか男性で描いたらどうなるだろう?と必ず考えてしまうようになっており(笑)、この映画でも今ヶ瀬を女性で描いたらどうなるだろう?と考えてみましたら、 修羅場だ! となる凄い映画でした…

「初恋」(ネタバレ・レビュー)昭和ノワールものを平成コメディ(ギャグ)タッチで描く

劇場公開時には三池崇史監督が「初恋」?と興味を持ったものの何となく見逃してしまいましたがやっと見られました。 今やヤクザ映画(ではないけれど)もギャグなしでは成立しないということのようで、その意味では「初恋」のタイトルもギャグなのかも知れま…

「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」(ネタバレ・レビュー)女性の友情物語をバディムービーっぽく

やろうとしていることが明快で気持ちいい映画ですね。それに面白いです。 監督はオリヴィア・ワイルドさん、俳優としてのキャリアは16年くらいで監督としてはこの映画が初の長編とのことです。脚本に4人の女性がクレジットされており、特にケイティ・シルバ…

「グッバイ、リチャード!」(ネタバレ・レビュー)人は死を覚悟してしか自由になれない、という皮肉

ジョニー・デップさん、もう長らく(私は)新作のプロモーションかスキャンダルネタでしか目にしなくなっており、映画は「スウィーニー・トッド(2007)」か「パブリック・エネミーズ(2009)」以来かと思います。 グッバイ、リチャード! / 監督:ウェイン…

「タッチ・ミー・ノット」(ネタバレ・レビュー)ローラと秘密のカウンセリングがサブタイトルとはどうよ?

2018年のベルリン映画祭で金熊賞を受賞しています。 「ベルリン金熊賞史上、最も議論を呼んだ問題作」なんて宣伝文句が使われている映画です。問題作であるかどうかは別にして確かに劇場公開には迷う映画ではあります。 その所為か配給はこれまで目にしたこ…

「ラ・ヨローナ 彷徨う女」(ネタバレ・レビュー)ホラーと言うよりも女たちの嘆きと悲しみの映画

「火の山のマリア」のハイロ・ブスタマンテ監督の4年ぶりの新作ということになります。この作品は昨年2019年8月のヴェネチア映画祭で上映された映画ですが、IMDbを見ますと、ほぼ同時期の2019年の2月のベルリン映画祭に「Temblores(Tremors、震え?)」とい…

「ソワレ」(ネタバレ・レビュー)逃避行ものなのに「僕たちには明日は続く」

男女の逃避行ものと言えば「俺たちに明日はない」に勝るものはありません。 と、言い切ることに異論のある方はいないと思いますが(笑)、果たして「ソワレ」は現代の「俺たちに明日はない」になったのでしょうか。 ソワレ / 監督:外山文治 んー、ラスト、…

「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」(ネタバレ・レビュー)ホロドモール、ウクライナ、ジョージ・オーウェル、動物農場

「ソハの地下水道」のアグニェシュカ・ホランド監督の10年ぶりの新作です。 と思いましたら、2017年に「ポコット 動物たちの復讐」という映画が「ポーランド映画祭2018」で上映されているようです。それにIMDbによればその間にもTVドラマをたくさん撮ってい…

「この世の果て、数多の終焉」(ネタバレ・レビュー)フランス版地獄の黙示録なのだが…

この映画は、ギヨーム・ニクルー監督のユニークな発想でつくられたものなのか、あるいは単に映画づくりが下手なだけなのか(ペコリ)よくわからないところがあります。 日付を追って時間経過を示しながら物語として変化させられない構成、ぶっきらぼうな編集…

「糸」(ネタバレ・レビュー)閉じた価値観の平成ラブストーリー

中島みゆきさんの「糸」に着想を得て制作された映画ということです。 縦の糸はあなた 横の糸は私逢うべき糸に 出逢えることを人は 仕合わせと呼びます この歌詞からしてもおよそ内容は想像できますし、そのとおりの映画でした。ただ、覚悟して見に行った割に…

「ポルトガル、夏の終わり」(ネタバレ・レビュー)ロメールっぽさを使ったアイラ・サックス監督の世界かも

映画のつくりがロメールっぽいなあと思いながら見ていましたので、帰り道、さっそく映画のタイトルとロメールでググりましたらやっぱりかなりヒットします。それにアイラ・サックス監督本人が「ロメールを研究した」と語ったかのような記述もあります。 ポル…

「ぶあいそうな手紙」(ネタバレ・レビュー)ブラジルからハートウォーミングな物語

男が、はっきりと人生の残り時間を自覚し始めたとき夢見るファンタジーです。 ぶあいそうな手紙 / 監督:アナ・ルイーザ・アゼヴェード 実はこの映画、見てからもう2週間くらいは経っています。最近は見る本数も増えてきていますので見たらその日か次の日に…

「ファヒム パリが見た奇跡」(ネタバレ・レビュー)バングラディッシュの天才チェス少年、パリに渡る

貧しい家庭の少年がチェスで成功する感動物語なんだろう程度の認識で見に行きましたら、確かにそれはそうだったんですが、映画のつくりになにかしっくりこないものを感じた映画でした。 ファヒム パリが見た奇跡 / 監督:ピエール=フランソワ・マンタン=…

「ボヤンシー 眼差しの向こうに」(ネタバレ・レビュー)カンボジアの14歳の少年、奴隷船から生還する

配給がイオンエンターテイメントですと郊外にしかないイオンシネマまで足を運ばなくてはいけないという残念なことになります。 しかし、これはいい映画でよかったです。 ミニシアターでやれば(東京だけではなく)もう少し注目度も上がったのではないかと思…

「破壊の日」(ネタバレ・レビュー)豊田利晃監督、変われ!と叫ぶ

変われ!! 破壊の日 / 監督:豊田利晃 と言われて、変わらなくっちゃと思うか、変えなくっちゃと思うか、あるいは はあ? と思うか、はたまたお前こそ変われと思うか、人それぞれという映画でしょうか。 クラウドファンディングで制作資金が集められた映画…

「君が世界のはじまり」(ネタバレ・レビュー)この一昔前感はふくだももこのもの?向井康介のもの?

ふくだももこさんという名前、なにで見たのかなあ?と記憶をたどってみましたら「おいしい家族」を見ようか見まいかと迷った時でした。 結局見なかったのですが、今回は松本穂香さんと脚本の向井康介さんの名前が目に入り見ることにしました。 君が世界のは…

「あなたの顔」ツァイ・ミンリャン監督、坂本龍一音楽

2013年のヴェネチア映画祭で「郊遊 ピクニック」が上映された際に引退を語った(らしい)ツァイ・ミンリャン監督ですが、真意は商業主義的なシステムでは撮らないということだったらしく、実際それ以降もショートフィルムやドキュメンタリーをたくさん手がけ…

「ドヴラートフ レニングラードの作家たち」(ネタバレ・レビュー)美しき長回し、重層的な台詞、再現される1971年のソビエト

映画の内容、特に台詞は半分も理解できていないと思いますが面白かったです。 DVD化されればぜひもう一度見たい映画です。 ドヴラートフ レニングラードの作家たち / 監督:アレクセイ・ゲルマン・Jr. まずセルゲイ・ドヴラートフという作家自体を知りませ…

「はちどり」(ネタバレ・レビュー)キム・ボラ監督の記憶の映画のように見える…

全編、幻を見ているような映画です。 あるいは、思春期、この映画のウニは14歳ですが(私には)すでに遠い過去になってしまったあの頃、世界はこう見えていたのかもしれません。 はちどり / 監督:キム・ボラ …とは思うのですが、映画としては非常にわかり…

「LETO レト」(ネタバレ・レビュー)80年代ソ連の切ない青春物語と皮肉を込めた反権力

半月ほど前に見た「WAVES ウェイブス」に対しては「初めから終わりまでべったりくっついた音楽がうるさいですし、画のつくりがあざとすぎる」とやや(かなり?)批判的に書きましたが、この映画も同じようにほぼ全編音楽がついており、画の点でも下の画像の…

「リトル・ジョー」(ネタバレ・レビュー)寓話的ファンタジーなのだが寓話性が足りず

「ルルドの泉で」のジェシカ・ハウスナー監督の最新作です。主演のエミリー・ビーチャムさんが昨年2019年のカンヌで女優賞を受賞しています。 ハウスナー監督の映画は日本ではほぼ10年ぶりということになりますが、2014年に「Amour fou」という映画を撮って…

「グレース・オブ・ゴッド 告発の時」(ネタバレ・レビュー)現在進行中の実話を描くフランソワ・オゾン監督

公式サイトには現在でも裁判が進行中とあります。 フランス、リヨンのカトリック教会の聖職者による児童への性的虐待事件を描いた映画です。実話に基づいているということで、エンドロールの前にその後の裁判の経過がスーパーで入っており、確か2020年の日付…

「劇場」(ネタバレ)松岡茉優さんがうますぎて共依存恋愛が純愛にみえてしまう

なんだか無茶苦茶イヤな映画でした。 でもまあ、きっと原作者の又吉直樹さんも監督の行定勲さんもわかってやっているんだろうとは思います。 劇場 / 監督:行定勲 何がって? この物語が共依存恋愛を描いているという自覚と、それが演劇であれ映画であれ音…

「ステップ」(ネタバレ)子育て映画ではなく、家族主義的感動(させたい)映画だった

山田孝之さんがシングルファーザー? ってことで見てきました。 ステップ / 監督:飯塚健 始まってしばらくは、少しふっくらした印象もあり、へぇー、こういう役もいけるんだと見ていたんですが、映画が進むにしたがって、でも待てよ、この俳優さん、風変わ…

「バルーン 奇蹟の脱出飛行」(ネタバレ)東ドイツからの脱出劇、緊迫感のつくりがやや単調か

冷戦時代の東ドイツから脱出する映画というのは結構あるのではという印象でしたが、思い返したりググったりしてみても意外にもこの映画のようにズバリ脱出の行為自体を主題にしたものはあまりないようです。 最近の映画で思い出すのは「僕たちは希望という名…

「グッド・ワイフ」(ネタバレ)1982年のメキシコのセレブ妻たちの映画を日本でやる意味ある?

「グッド・ワイフ」でググりましたら、何だこりゃ? テレビドラマが無茶苦茶ヒットします。同タイトルのアメリカのテレビドラマあるんですね。それに日本版のリメイク版まであります。まったく知りませんでした。 釣りタイトルだったようです(笑)。 ただ、…

「WAVES ウェイブス」(ネタバレ)映画が MV 化がする

新しいスタイルの映画かもしれないと期待する気持ちもないわけではありませんが、個人的にはちょっとばかり入れないタイプの映画です。 ですので、いいことは書けそうもありません。 WAVES ウェイブス / 監督:トレイ・エドワード・シュルツ いきなり批判的…