そんなには褒めないよ。映画評

映画を見てから読むブログ

「アスファルト」人生あれやこれやいろいろあってもまだまだ捨てたものじゃないと気持ちが和らぎます

いやあー、今年のベストでしょう!! おしゃれですし、シュールですし、切ないですし、ナンセンスですし、笑えますし、ほっこりしますし、映画として冴えていますし、完璧でしょう! ですが、観客は私を含め3人でした(涙)。 団地の故障中のエレベーター。…

「ラサへの歩き方 祈りの2400km/チャン・ヤン監督」ただひたすら無心で五体投地、地にひれ伏し他者のために祈る人々が美しいです。

五体投地 五体、すなわち全身を地に投げ伏して礼拝する、仏教における最も丁寧な礼拝方法だそうです。 日本仏教では馴染みがない礼拝方法ですが、僧侶が膝をつき、額を床につけて両手を頭の上まで上げる姿を目にすることがありますが、あれも五体投地の変形…

「生きうつしのプリマ/マルガレーテ・フォン・トロッタ監督」皮肉まじりの人間愛に満ちた大人の映画です。女の秘密の先には男の意外な結末が待っています(笑)。

「ハンナ・アーレントの監督&主演の最新作」これがこの映画のキャッチになっているようです。 それだけ「ハンナ・アーレント」が良かったということなのでしょう。確かに、その後、本やネットで「ハンナ・アーレント」の名を目にすることが多くなった印象で…

「AMY エイミー/アシフ・カパディア監督」の構成力のすごさが光ります。エイミー・ワインハウスさんの CD を買いたくなること間違いなし。

このところ続けざまにドキュメンタリーを見ています。もちろん、結果としてですが、「FAKE」「ラスト・タンゴ」「シリア・モナムール」、そしてこの「AMY」と、2週間で4本目です。 この映画はいいですね。 ドキュメンタリーと言えども、ドラマと同じように…

「山河ノスタルジア/ジャ・ジャンクー監督」言葉のないところに叙情的風情が生まれる。2025年、現実の世界は「世界」になる。

ジャ・ジャンクー監督が帰ってきた! そんな感じのする映画です。 前作「罪の手ざわり」のレビューを読み返してみますと、ジャ・ジャンクー監督の何かが変わっていく過渡期ではないかなどと書いていますが、結局「青の稲妻」や「世界」に戻ったのでしょう。 …

「放浪の画家ピロスマニ/ギオルギ・シェンゲラヤ監督」毎食ワインとパンとサラダのような、考えてみれば結構シュールな、美しき構図の映画でした。

最近は、リバイバル上映やデジタルリマスター版の上映が結構多くなっていますね。あまり客の入らない映画の買い付けが難しくなっているのか、観客の二分化が進んでいるのか、何が起きているんでしょう? この「放浪の画家ピロスマニ」も、ギオルギ・シェンゲ…

「マジカル・ガール/カルロス・ベルムト監督」魔法少女ユキコは、男たちの欲望を一身に受け止め、ソウルジェムは濁りきり、やがてメンヘラ魔女と化す

これだけ作り手の才能が感じられる映画はめずらしいです。もちろん、その中心はカルロス・ベルムト監督でしょう。 物語は、父が娘を思うヒューマンストーリーであり、何が起きるかわからないミステリーであり、また、そのテイストは、サスペンスであり、ブラ…

「火の山のマリア/ハイロ・ブスタマンテ監督」出だしはやや退屈ですが、中盤からはお母さんの存在感に惹きつけられ、そしてラストは「そっちか!?」とびっくり!

グアテマラの映画です。昨年のベルリンで、銀熊アルフレッド・バウアー賞を受賞しています。 久しぶりにびっくりしました! この手のびっくりは「父の秘密」以来です。 ドンデンとか、秘密が明らかになるとか、そういった部類のことではありませんので、それ…

「キャロル/トット・ヘインズ監督」ルーニー・マーラの魅力にやられてしまいました。古き良き映画の時代を感じさせる演出も適度で心地良いです。

あまり興味のないアカデミー賞も、この映画のルーニー・マーラがノミネートされているとのことで、一気に興味が湧いてしまいました。ぜひ受賞して欲しいですね。 それくらい良かったのですが、実はこれまであまり印象はなく、「ソーシャル・ネットワーク」で…

黄金のアデーレ 名画の帰還/サイモン・カーティス監督」ドラマづくりの旨さであっという間に引きずり込まれ、心地良い感動と歴史の再認識と

「過去が現在に是正を求めている」 弁護士ランドル・シェーンベルク(ライアン・レイノルズ)がウィーンでの調停(仲裁裁判)の場で述べる演説からの一節です。結構いい演説で心に残りました。 クリムトの「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像(黄金のアデ…

「メニルモンタン 2つの秋と3つの冬/セバスチャン・ベベデール監督」これぞ(懐かしき)フランス映画!という感じがします。ちょっと笑える切なさと挑戦的試みと。

これは素直に面白いです! 主演のヴァンサン・マケーニュさんは、ギヨーム・ブラック監督の「女っ気なし」「遭難者」「やさしい人」、それにミア・ハンセン=ラヴ監督の「EDEN エデン」にも出ていましが、IMDbを見てみましたら、2013年辺りからすごい出演数…

「SAINT LAURENT サンローラン/ベルトラン・ボネロ監督」 ワンカットごとの構図がきれい。ラストカットも秀逸!いいわ、これ。

昨年公開された「イブ・サンローラン/ジャリル・レスペール監督」とほぼ同時期に製作されているんですね。日本での公開も同時にすれば相乗効果でより入ったのではないかと思います。まあ誰もが考えることですので、そうならなかった何か訳でもあるんでしょ…

「名もなき塀の中の王/デビッド・マッケンジー監督」 ジャック・オコンネルのエリック、触るとやけどしそうなくらいのひりひり感がとてもいい!

刑務所を舞台にした映画にハズレはない(かも?)ですね。 記憶に新しいところでは「預言者」「タンゴ・リブレ 君を想う」、刑務所の中だけの話ではありませんが、「愛について、ある土曜日の面会室」、最近見た映画で何かもうひとつあったような気がします…

「アクトレス ~女たちの舞台~オリヴィエ・アサイヤス監督」ジュリエット・ビノシュは当然としても、クリステン・スチュワートの個人秘書役が素晴らしい!

「アクトレス」はともかく「女たちの舞台」なんていう二時間ドラマを思わせるタイトルで、映画はどうかな?と思いましたが、とんでもなくいい映画でした。 それもそのはずで、原題は邦題とはかけ離れた「Clouds of Sils Maria」であり、スイスのシルス地方の…

「ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女/アナ・リリ・アミルプール監督」監督自身の網膜に焼き付けられてきた残像や鼓膜に記憶されてきた残響を一本にまとめ上げたような映画

随分前に予告編を見て、これは絶対見なくっちゃと待ちに待った映画です! と言いながらも公開から一週間経っていますので、大きなことは言えません。 あらら、1日1回の上映ですね。さほど入らないとふまれたのでしょうか、良い映画なだけに残念です。 邦題…

「僕たちの家へ帰ろう/ルー・ルイジュン監督」私が審査委員長なら、パルムドールでも、金熊でも、金獅子でも何でもあげちゃいます

これは「映画」です! 余計なことは語らない、余計な演技はしない。画が全てであり、画にとらえられた人が全てです。 そして、ラストカットのカタルシス。いや、この映画の場合、たしかにストンと心に落ちはしますが、カタルシスという言葉は当たらないかも…

「涙するまで、生きる/ダビド・オールホッフェン監督」レダ・カティブの良さをもう少し生かして欲しいが、ヴィゴ・モーテンセンがカミュ本人を思わせとてもいい

カミュの短編「客」の映画化です。日本では、短編集「転落・追放と王国」の中に収録されているそうです。読んだことはありませんので、早速読んでみようと思います。 転落・追放と王国 (新潮文庫) 作者: カミュ,大久保敏彦,窪田啓作 出版社/メーカー: 新潮社…

「スリーピング・ボイス〜沈黙の叫び〜/ベニート・サンブラノ監督」特別強い女性を画いているわけでもないのに、女性たちの生きざまは凛として気高く美しい

今月初めからシネマテークで「ラテン!ラテン!ラテン!」という企画ものをやっており、見たい映画が何本かあったのですが、あいにく体調が悪く、やっと最後の日に一本見ることが出来ました。いやあ−、無茶苦茶いい映画でした。ただ、肩はこりますし、全編、…