そんなには褒めないよ。映画評

映画を見てから読むブログ

「グッバイ・ゴダール!」ゴダールと言えども、男女の別れは映画通りにはいかず…

今さら私が説明するまでもないゴダールですが、ただ、今でも代表作として語られる映画の多くは、1959年の「勝手にしやがれ」から、この映画の冒頭に出てくる1967年の「中国女」あたりまでの作品で、この映画が描く時期は、一般的には(映画が)あまり知られ…

「EVA エヴァ」(ネタバレ)イザベル・ユペールはジャンヌ・モローを越えたか?

イザベル・ユペールはイザベル・ユペールしか演じない。 …の典型的な映画ですね。こういう物語性の強い映画でイザベル・ユペールに何を期待したのかよくわかりませんが、ただ、逆に「悪女イブ」的男目線の Eve 像を覆す可能性もあったのにとは思います。 公…

「ルームロンダリング」(ネタバレ)シリーズ化必至か? 連載漫画的な今どきの物語。

ルームロンダリング。 そもそもそんな言葉はないのに、何となくその意味を知っているような気がしてきます。そんな仕事が存在するとは思えないのに、何となくあるかもしれないと思えてきます。 公式サイト / 監督:片桐健滋 「企画」としては成功でしょう。…

「いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち」(ネタバレ)笑いのポイントがまるでわからない、私が悪いのか、映画が悪いのか?

上映前に流れる予告編も結構効力を発揮するもので、この映画、予告編を見て、これは面白そうと見に行ったものです。 ただ、その期待はしっかり裏切られましたが…(笑)。 公式サイト / 監督:シドニー・シビリア (日本の)公式サイトの「イタリアン・コメ…

「ゲッベルスと私」人は自分が悪であること、あるいは悪とともにいることに気づかない

ヨーゼフ・ゲッベルスと言えば、プロパガンダの天才と言われ、ナチスの権力掌握に大きな役割を果たし、ナチスの No.2として国民啓蒙・宣伝大臣に就いた人物です。この映画は、そのゲッベルスの秘書だったというブルンヒルデ・ポムゼルさんのインタビューを構…

「ガザの美容室」戦闘がハマス対イスラエルのものでないことにビックリ!

舞台はパレスチナ自治区ガザの美容室、中には13人の女たち、外には武器を持ってうろつく男たち。日本からみれば相当にシュールなこの風景は、ガザにおいては紛うことなき現実ということなのでしょう。 公式サイト / 監督:タルザン&アラブ・ナサール ワン…

「母という名の女」(ネタバレ)母は女であるが、女は母とは限らない…。は?

本当にこの監督の映画にはいつもびっくりさせられます。 なかなか先が読めません。 公式サイト / 監督:ミシェル・フランコ ミシェル・フランコ監督、現在、39歳か40歳くらいのメキシコの監督です。ワールドレベルでの活躍はここ10年くらいで、カンヌをター…

「30年後の同窓会」(ネタバレ)反戦、反権力かと思いきやアメリカ賛美の映画かなあ…?

最近は「6才のボクが、大人になるまで。」が代表作に挙げられることが多いようですが、私には、やはり「ビフォアー・サンライズ」の枕詞がしっくりくるリチャード・リンクレイター監督です。ウィキペディアを見てみますと他にもたくさん撮っているようですが…

「告白小説、その結末」(ネタバレ)その結末なしのサスペンスは原作者の実体験かも…

オチなしのサスペンス映画でした(笑)。 言い方を変えれば、私の妄想を聞いてくれてありがとう、みたいなことですかね。 公式サイト / 監督:ロマン・ポランスキー ある人気作家がいて、書けないスランプに陥って悶々としているところへ、ひとりの女性が現…

「レディ・バード」(ネタバレ)才能を感じますね、「フランシス・ハ」のグレタ・ガーウィグに。

つくり手に才能を感じる映画ですね。 当然ながら、映画が監督ひとりの力でできているわけではありませんのでつくり手と書きましたが、多くはグレタ・ガーウィグ監督のセンスでしょう。 公式サイト / 監督:グレタ・ガーウィグ 「フランシス・ハ」では、主役…

「万引き家族」(ややネタバレ)家族関係が過剰すぎてよく見えない家族の物語かな?

今年2018年のカンヌ、パルムドール受賞作です。1997年の「うなぎ」以来の21年ぶりだそうです。 公開一週間で「興行収入は約12億円、14日時点の観客動員は約100万人を記録」(映画.com)ということらしく、このまま伸びていくかどうかはわかりませんが、受賞…

「Vision」(ネタバレ)河瀬直美監督は本当に山(吉野)を見ているのか?

河瀬直美監督、とうとうスピリチュアルな世界へ行っちゃいましたね。 初期の自主制作と「殯の森」「光」しか見ていませんので、さほど深い意味で言っているわけではありませんが、「殯の森」あたりではもう少し現実世界から何かを見ようとしている感じはあり…

「それから」(ネタバレ)といっても大したネタはないけれど、ほんと、これはラディカル・ホン・サンスだ。

ホン・サンス監督らしい映画だとは思いますが、さすがにこれはやり過ぎではないかという(笑)、そんな感じでした。言い方を変えれば、ラディカル・ホン・サンス映画といったところでしょうか。 ホン・サンス監督の映画は、もう十数年前になりますが「女は男…

「四月の永い夢」(ネタバレ)朝倉あきさんの映画ですね…。浴衣姿にドキッとします。

いい映画ですね。 特に何かが起きるわけでもなく、ひとりの女性の心の揺れのようなものがゆったりと流れていきます。 ただ何も起きないと言っても、いわゆる事件などのドラマチックな出来事が起きないだけで、その女性、滝本初海(朝倉あき)の心の中ではい…

「ビューティフル・デイ」(ネタバレ)音楽がうるさくて映画に集中できない、でも結果よかった?

もうこういう映画はいいよね。 と、思ったんですが、そんなことよりも、この映画、むちゃくちゃ音楽がうるさかったですね。 私だけですかね? ひょっとして、そのせいで映画に集中できず、もういいと思ったとか…? 音楽はジョニー・グリーンウッドさんで、あ…

「海を駆ける」ネタバレしようにも意味不明、ラウがじゃないよ。

一週間ほど前に見た映画ですが、あまりの散漫な終わり方に、そのまま感想も気分も散漫なまま放ってありました(笑)。 この映画を三段階に分けて語るとすると、序盤は面白く、中盤は飽きがきて、後半は意味不明というところでしょうか。あるいは撮影期間切れ…

「ファントム・スレッド」(ネタバレ)ダニエル・デイ=ルイスが映画のバランスを崩している

予告編の「男は女の完璧な身体を愛した」や「オートクチュールのドレスが導く禁断の愛の扉が開かれる」のダサい(ペコリ)コピーと奇妙な抑揚のナレーションに妙にハマり、劇場で予告編が流れる度にぐっと笑いをこらえてきた映画を、ついに見てきました(笑…

「男と女、モントーク岬で」(ネタバレ)男の感傷物語にみえて、実は女性(たち)の物語かも…。

男性監督作品であれ女性監督作品であれ、およそ恋愛映画の大半は男の妄想物語ときまっています(異論は認めません(笑))が、それでも中には、その妄想にしとやかな品位をもって女の存在感を示す映画もあるわけで、この「男と女、モントーク岬で」はその一…

「友罪」(ネタバレ)過去と現在、友情がなければ友罪は生まれない

意識しているわけではありませんが、このところなぜか瀬々敬久監督の映画を続けて見ています。「最低。」「8年越しの花嫁 奇跡の実話」、そしてこの「友罪」です。 それ以前には「ヘヴンズ ストーリー」を見ていますが、代表作と言われている「64」を見て…

「泳ぎすぎた夜」たからくんは、演技(非日常)と非演技(日常)のボーダーライン上にいるようだ

予告編の冒頭に引用されている谷川俊太郎さんのコメント 人間ももともとはけものと同じ生きものだった。言葉がないと、意味の仮面がはがれて、いのちのナマの姿が見えてくる。 が、この映画のある一面をとらえていると思います。 それは、逆にいえば、この映…

「ダリダ あまい囁き」男性との関係を軸にした伝記映画としかいいようがない。

ダリダ? ダリダ? ダリダって、だりだ? って、ことはありません(笑)。ちゃんと知っています。ただ、代表曲は何? ヒット曲は? と考えてもすぐには浮かんできません。 そんな人にはとてもいい映画です。 音楽がいっぱい使われていますし、ああそういう曲…

「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」(ネタバレ)子役ブルックリンさん(ちゃん)の行く末が気になる…

こういう映画を見て必ず思うことは、「この子の将来は大丈夫だろうか?」ということです。 この子というのは映画の中のムーニーではありません。ムーニーをやっている子役のブルックリン・キンバリー・プリンスさんのことで、こういう映画というのは、家庭環…

「モリーズ・ゲーム」(ネタバレ)ギャンブル映画にみせたフロイト心理学的父娘関係の映画か?

映画のつくられ方って、もちろんドラマやドキュメンタリーといった違いもありますので様々だとは思いますが、(広い意味での)シナリオがあって撮影をして編集をして完成という基本をはずしたものはないでしょう。中には全てひとりでやってしまう人もいるよ…

「ラジオ・コバニ」戦争に勝者などいません。どちらも敗者です。

シリア内戦は、ウィキペディアによりますとすでに7年、未だ収束の道筋もみえない状態(のよう)です。日々の報道でしか知る由もないので、本当のところ何が起きているかを理解することは大変難しく、どんな報道、どんな発言、どんな映像であれ、ある種フィ…

「パティ・ケイク$」(ネタバレ)青春音楽物語。この映画、貧困、差別、女性の自立が主たるテーマじゃないよ

ラップって、こういう言い方をするとラップ好きには怒られるかも知れませんが、ダサさと紙一重のカッコよさみたいなところがありますよね。 この映画でも、MCバトルという交互にラップを(でいいのかな?)競い合うシーンがありますが、必然的に相手をディス…

「マルクス・エンゲルス」マルクス生誕200年の2018年はボーダレスによる細分化で階級なき社会

タイトルを見て、マルクスとエンゲルスを映画化?! って、なんとなく不思議な感じがしたのですが、今年2018年がマルクス生誕200年ということからの映画化だったんですね。漠然と19世紀の人との意識はあったのですが、正確には1818年5月5日生まれとのこと…

「サバービコン 仮面を被った街」(ネタバレ)ジョージ・クルーニー監督の真面目さはこういう映画には向かない(気がする)

脚本にジョージ・クルーニーとコーエン兄弟がクレジットされていますのでどういうことだろうと思いましたら、もともとコーエン兄弟の脚本があり(ウィキペディアでは1986年)、まあ言ってみればお蔵入りしていたものをジョージ・クルーニーが手を加えて映画…

「ザ・スクエア 思いやりの聖域」(ネタバレ)批評的であることはいいけれど、心優しき映画ではないですね

この映画をひとことで言いますと、見ながら「ハイ、ハイ」「ハイ、ハイ」とついつい口をついて出てしまう映画です(笑)。 前作「フレンチアルプスで起きたこと」を見ての、私が感じるこの監督の立ち位置と、この映画の予告編を見ての予想で、見なくてもいい…

「君の名前で僕を呼んで」(ややネタバレ)というほどのネタはなく、ボーイズラブ的美しさの映画かと思う

随分前から予告編をやっていたんじゃないでしょうか、すでに見た映画のような印象です。 それにしてもこの(チラシやサイトの)ブルー、合成でしょうが、Windows Blue のようなブルーで、印象深いですね。ふたりの気持ちの深さのブルーなんでしょうか。 監督…

「さよなら、僕のマンハッタン」(ネタバレ)男の過ぎ去った青春妄想映画だが、あえてお勧めする

あまりのメロドラマに、涙と笑いが同時に起きてしまいビックリ! はたしてこの映画はお勧めすべき映画なのかと迷うような(?)よくできた映画でした。とりあえずは素直におすすめ映画にピックアップしておきます(笑)。 ただし、内容は女性の人格を無視し…