「カツベン!」(ネタバレ)エンタメ映画の王道でシリーズ化をねらう?

特に何かを期待して見るような映画ではなく(批判ではない)、映画の楽しみ方のひとつとしてはありかなという映画です。 笑いの要素がやや不足してはいますが、全体としては楽しめます。個々の俳優を見る映画でもあります。 カツベン! / 監督:周防正行 と…

「夕陽のあと」(ネタバレ)前半の完成度は高い、特に山田真歩さんがすばらしい。

前半は賞をとってもいいレベルでした。 後半もダメというわけではないのですが、おそらく企画の性格上やむを得ないのでしょう、説明的なシーンが多くなりますし、話を前向きにまとめようという意図があからさまになってきます。 夕陽のあと / 監督:越川道…

「読まれなかった小説」(ネタバレ)父と息子の軋轢と邂逅ではなく男たちの諦観の物語

189分、およそ3時間の映画です。前作の「雪の轍」が196分ですので、ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督にはこの長さがないと語りきれないということなんでしょう。 前作では人の業のようなものを延々語ったものの、最後は割と簡単に人と人がわかり会えるような結…

「あなたを、想う」(ネタバレ)導入よし、画よし、俳優よし、なのに…なぜ?

(シルヴィア・チャン監督の2015年の映画です。シルヴィア・チャン監督の映画は、昨年2018年に「妻の愛、娘の時」を初めて見たのですが、その一作前が今公開されたようです。 公式サイトによりますと、「台湾で活躍する日本人俳優・蔭山征彦が温めていた3つ…

「テルアビブ・オン・ファイア」(ネタバレ)痛々しい。サラームがパレスチナの今だとしたら…

パレスチナが舞台の映画は、製作国や監督など、その映画がどのような背景のもとで作られたかをみないと、映画のもつ意味を理解するのは難しいです。 この「テルアビブ・オン・ファイア」のサメフ・ゾアビ監督は、(多分)イスラエル国籍のパレスチナ人で、テ…

「マリッジ・ストーリー」(ネタバレ)結婚、そして離婚、でも生きている Being Alive

Netflix 製作、配信は12月6日からですが、11月29日から先行劇場公開されています。 「イカとクジラ」「フランシス・ハ」「ヤング・アダルト・ニューヨーク」のノア・バームバック監督、主演は下の画像のようにスカーレット・ヨハンソンさんとアダム・ドライ…

「i 新聞記者ドキュメント」(ネタバレ)森達也監督らしくない中途半端さ

映画の宣伝コピーが「森達也 vs 望月衣塑子」となっており、おそらく、映画の意図としては、森監督が望月さんの新聞記者としての活動を追うことによって、ジャーナリズムの本質的なことを前景化しようということなんだろうと思います。 それが間違っていなけ…

「ライフ・イットセルフ 未来に続く物語」(ネタバレ)感動するか、あまりの作り込みに引くか、あなたはどちら?

こういう映画は苦手だなあ…(笑)。 なにがって、全編、ストーリーを説明されているような映画ですし、それに、なんだか壇上から教訓話を聞かされているような窮屈さを感じません? ライフ・イットセルフ 未来に続く物語 / 監督:ダン・フォーゲルマン それ…

「盲目のメロディ インド式殺人狂騒曲」予測不能なブラックコメディーと言われても(コラ!)

インド映画と言いますと「歌って、踊って」がすぐに浮かんでしまい、およそ想像がついてしまいますのでほとんど見ないのですが、「踊らないのに大ヒット!」「予測不能なブラックコメディー」の宣伝コピーにつられ見てしまいました(笑)。 盲目のメロディ …

「失くした体」(ネタバレ)音楽とエスプリの効いた会話でみせるアニメーション

ふと見た予告編に惹きつけられたアニメーション、本編81分も惹きつけられっぱなしでした。 今年2019年のカンヌ国際映画祭批評家週間でグランプリを受賞したらしく、また、この部門でアニメーションがグランプリを受賞したのは初めてとのことです。 失くした…

「ゾンビランド ダブルタップ」(ネタバレ)笑いと差別は紙一重…かな?

一作目の「ゾンビランド」の成功の後、かなり早い段階から続編の話が出ていたように思いますが、やっと「ゾンビランド ダブルタップ」登場です。 ゾンビ好きというわけではありませんが、こういうただひたすら理屈を超えた展開のおバカ映画は大好きです(笑…

「象は静かに座っている」(ネタバレ)この閉ざされた世界から抜け出す先もまた国境に閉ざされた町

「象は静かに座っている」上映時間234分ですからほぼ4時間の映画です。 監督のフー・ボーさんは、この映画がベルリン国際映画祭のフォーラム部門でプレミア上映された昨年2018年2月16日から遡ることおよそ4ヶ月前の2017年10月12日に自ら命を断っています。…

「ラフィキ ふたりの夢」(ネタバレ)ケニア、自由にあるがままに生きたいと願う少女たち

ケニア映画です。アフリカを「舞台」にした映画ではないアフリカ映画って見たことがあるのだろうかと思い返してみても記憶がありません。 この映画の製作は南アフリカの Big World Cinema というプロダクションで、アフリカ映画がたくさんラインナップされて…

「わたしは光をにぎっている」(ネタバレ)翔ばなくてもいい時代の青春ファンタジー

中川龍太郎監督、かなり注目している監督です。 一年ほど前に見た「四月の永い夢」がとてもいい映画であり、その名前になんとなく記憶がありましたので過去記事を検索しましたら、その三年ほど前に「愛の小さな歴史」を見ていたという、そんな始まりです。 …

「グレタ」(ネタバレ)イザベル・ユペール恐るべし!

イザベル・ユペール恐るべし! そういう映画です。タイトルも「グレタ」ではなく「イザベル」でいいと思います(笑)。 とにかく、映画がどうこうよりも、イザベル・ユペールさん、無茶苦茶楽しんでるやんと言うしかありません。軽やかにダンスしながら探偵…

「永遠の門 ゴッホの見た未来」(ネタバレ)シュナーベル監督の目を通しウィレム・デフォーの姿で見るゴッホ

フィンセント・ファン・ゴッホ37年の生涯のうち、亡くなるまでの2年あまりが描かれています。監督は「潜水服は蝶の夢を見る」のジュリアン・シュナーベル監督、あらためてこの監督の過去の作品をみてみますと伝記的な映画が多い監督です。 (的)としたのは…

「ひとよ」(ネタバレ)映画は俳優がつくる。田中裕子、佐藤健、佐藤亮平、松岡茉優

俳優でもっている映画でした。 田中裕子さん、佐藤健さん、鈴木亮平さん、松岡茉優さん、特に兄弟妹三人、それぞれの人物設定はステレオタイプであっても、映画のシーンとしてはとてもよいバランスでした。 ひとよ / 白石和彌 白石和彌監督の映画は、デビュ…

「CLIMAX クライマックス」(ネタバレ)これはドラッグ映画ではなくダンス&音楽映画です

紹介文を1,2行読めばおよそ想像がついてしまうような映画なんですが、ギャスパー・ノエ監督ということで、まあ見とくかということで(笑)。 CLIMAX クライマックス / 監督:ギャスパー・ノエ ほぼ予想した通りの映画でした。 雪が降る山奥の廃墟に集ま…

「閉鎖病棟 それぞれの朝」(ネタバレ)ストーリーを語るだけでは感動ものにもならない

平山秀幸監督と聞きますと、どうしても「愛を乞うひと」の、あの激烈な原田三枝子さんの演技が浮かんでしまい、期待値が高くなってしまいます。 とは言っても、それ以降は「しゃべれども しゃべれども」「信さん・炭坑町のセレナーデ」くらいしか見ておらず…

「マチネの終わりに」(ネタバレ)平成のすれ違いメロドラマは非日常に飛び立たず

究極の「平成のすれ違いメロドラマ」見てきました。 原作を読んでいますので、もっと気恥ずかしく感じるかと思いましたが、以外にもあっさりしており、「福山さん、この台詞だけはやめて…」と思っていたシーンもなんとかクリアし(笑)、逆に、オイオイ普通…

「ザ・レセプショニスト」(ネタバレ)マッサージパーラーの受付嬢は何の夢を見たか?

何、このやる気(売る気)のない邦題!? と逆に興味を持った映画です。え? じゃあ成功してるじゃない(笑)。 「The Receptionist」 引用した画像の真ん中の女性がその「受付」の仕事をしているということで、何の店かと言いますと、マッサージパーラー、…

「ブルーアワーにぶっ飛ばす」ブルーアワーも見られず、ぶっ飛ばしてもおらず

「TSUTAYA CREATORS'PROGRAM(TCP)」の2016年審査員特別賞受賞作の映画化です。 TCPのリンク先を見てみますと、今年から企画、監督、脚本と3部門に別れたとありますので、この作品の頃は企画だけなのか、脚本付きなのか、どちらにしても部門なしの審査だっ…

「第三夫人と髪飾り」(ネタバレ)静謐なつくりに漂う悲哀、滲み出る情

始まってしばらくは、トラン・アン・ユン監督? と思うくらい雰囲気が似ていました。 ひとことで言えば静謐ということですが、ゆったりと流れる時間、少ない台詞、感情的なシーンを排しているにもかかわらずにじみ出る「情」、そういう映画です。 第三夫人と…

「バオバオ フツウの家族」(ネタバレ)同性愛カップルの話ですが、物語もつくりも乱暴ですねぇ…

子どもが欲しい男女それぞれふた組の同性カップルが取った行動の顛末を描いた台湾映画です。 日本でも報道されましたが、台湾では今年の5月17日に同性婚を合法とする法律が可決されています。 台湾、同性婚認める法案を可決 アジア初 - BBCニュース バオバオ…

「今さら言えない小さな秘密」(ネタバレ)ラスト、マドレーヌのフラッシュバックにプチ感動

ついつい頬も緩み、くすっと笑いがもれる映画です。 「フランスの国民的作家にしてイラストレーター、漫画家でもあるジャン=ジャック・サンペのベストセラー『今さら言えない小さな秘密』」の映画化です。あまり詳しくはありませんが、『プチ・ニコラ』はよ…

「楽園」(ネタバレ)事件は描いても人を描かず。吉田修一「犯罪小説集」を映画化

吉田修一さんの小説が映画化されたものはほとんど見ていますが、なかなか小説を越えるものが出ないです。吉田修一さんはどちらかといいますとストーリーテラーですので、物語を追っていくだけの映画では、ただ映像化しただけで終わってしまうからではないか…

「イエスタデイ」(ネタバレ)ビートルズがいない世界なんて!?というビートルズ愛の映画

ビートルズをこの上なく愛する人たちが作ったということがひしひしと伝わってくる映画です。ダニー・ボイル監督はもちろんでしょうが、おそらく脚本のリチャード・カーティスさんがその中心ではないかと思います。 イエスタデイ / 監督:ダニー・ボイル 事…

「ボーダー 二つの世界」(ネタバレ)北欧の妖精トロールをめぐるダーク・ファンタジー

「ぼくのエリ 200歳の少女」を前面に出した宣伝がされていますが、それ系ファンタジーを期待していきますと、ちょっと戸惑うかもしれません。ファンタジーはファンタジーでも、視覚的にも内容的にも、こちらはかなりダークです。 もっとも、「ぼくのエリ」に…

「真実 La vérité」(ネタバレ)カトリーヌ・ドヌーブとジュリエット・ビノシュであればこその映画

是枝裕和監督のパルムドール受賞後第一作です。 引用の画像を見てのとおり、俳優はカトリーヌ・ドヌーブ、ジュリエット・ビノシュ、イーサン・ホークという国際的スター、そして、IMDbを見た限りおもだったスタッフに日本人は入っていないようです。 もとも…

「見えない目撃者」(ネタバレ)吉岡里帆のなつめよりも犯人が主役のようだ

この映画が2011年の韓国映画「ブラインド」のリメイク版だというのは知っていたんですが、「見えない目撃者」でググりますと、この映画ともうひとつ同じタイトルでGAGA版がヒットします。なんと、2015年の中国版までありました。 それだけ基本的なプロットに…