そんなには褒めないよ。映画評

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「海を駆ける」ネタバレしようにも意味不明、ラウがじゃないよ。

一週間ほど前に見た映画ですが、あまりの散漫な終わり方に、そのまま感想も気分も散漫なまま放ってありました(笑)。

この映画を三段階に分けて語るとすると、序盤は面白く、中盤は飽きがきて、後半は意味不明というところでしょうか。あるいは撮影期間切れか資金不足で撮り切れていないのかも知れません。

深田監督の映画は「ほとりの朔子」「東京人間喜劇」「淵に立つ」と、割と見ていますが、一番いいと思ったのは、DVD視聴ですので書いていない「さようなら」ですね。

 

監督:深田晃司

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公式サイト

 

この映画は、いろんなことが放り込んであるのですが、結局まとめきれなかったのではないかという印象です。そう感じた映画ですので、以下たいしたことは書いていません(笑)。

 

津波(2004年スマトラ島沖地震)、戦争(太平洋戦争)、超自然的な力を持つ男(ディーン・フジオカ)、二十歳前後の少年少女たちの恋愛、国籍とアイデンティティ、大人の裏切り、こうした要素がそれぞれ関係しているようでありながら、また関係していないようでもあり、物語があるようで、またないようでもあり(笑)、そんな曖昧な感じで進んでいく映画です。

 

深田監督の映画は、これまでもそういったところがないわけではありませんが、さすがにこの映画の後半はだめですね。

 

映画の舞台は、2004年の地震で甚大な被害を受けたバンダアチェです。

素っ裸なまま海からやってきた男(ディーン・フジオカ)は、記憶を失っているということでラウと名付けられます。ラウは超自然的な力を持ち、熱中症の少女に空気中の水分を水の玉にして与えて助けたり、津波の記憶を語っていた男を何の脈絡もなく手のひらをかざす超超超パワーで殺し(葬るというニュアンスか?)たり、最後にはこれまた唐突に貴子(鶴田真由)を殺したのか、気絶させたのか、よく分からないことをして去っていきます。

 

まあ、おそらく、海とか、津波とか、善悪を越えた超自然的な力を象徴した存在だと思いますが、それに映画ですから何をやってもいいとは思いますが、意味不明のまま、その行為ではなく、その結果を放って置かれれば見ていても面白くないですわね(ペコリ)。

 

貴子は、NGOのスタッフとして働いており、映画には出てきませんが夫はインドネシア人で、バイリンガルの息子タカシ(太賀)がいます。同年代のいとこサチコ(阿部純子)が日本からやってきます。サチコは、父親の遺灰を父親が残した写真の場所に撒こうと考えています。

どうでもいいことかも知れませんが、遺灰を撒くってことは、おそらく最近亡くなったということだと思いますが(そうでもないか?)、貴子やタカシとの会話にはそれらしきことは何もなかったですね。代わりにサチコが大学をやめたことが貴子とタカシで語られていました。

その写真の場所は、日本軍が残したトーチカから海を撮ったものということが後にわかります。

 

なんだか、いろんなことが唐突ですね。たしかに世界は理路整然としているわけではなく、日々起きることの多くは唐突ではあるのですが…、まあいいか(笑)。

 

で、タカシの友人にクリス(アディパティ・ドルケン)とイルマ(セカール・サリ)がいます。この4人の間で、お前は誰々に気があるのかとか、告白したらとか、まあ高校生の恋愛のようなやり取りがあります。

こういうのを描くの、深田監督、あまりうまくないですね。

 

後半に、サチコとクリスが件のトーチカの場所へ船で行くために桟橋で待ち合わせをするシーンがありますが、あそこ、なんだか混乱していましたね。

そもそも途中から衣装が変わっていました。ミスをするような場面ではありませんから、何かを端折ったのか、撮り直したのか、何かトラブルでもあったのでしょう。

とにかく、このシーンからラストに向けては混乱していました。

 

貧富の差を描いていたのか、クリスは大学に行けるのにイルマは大学にいけないとの設定もありましたし、イルマの父親が足を怪我して障害を抱えており、日本を恨んでいましたから、日本の企業のもとで働いていて怪我の補償もされていないということなのか、これもはっきりしたことは、見落としているのか、語られていないのか、よくわかりません。

 

とにかく、イルマはジャーナリスト志望で、津波の被害についての取材を独自でしており、偶然ラウが熱中症の少女を救う映像を撮ります。その映像を貴子の友人のジャーナリストに見せるのですが、なんとそのジャーナリストは、自分が撮ったものとして記者会見をして発表してしまいます。

その行為自体も唐突ではあるのですが、それは置いておいても、それほどのことを見せておきながら、イルマに涙を流させるだけで、その後の何も描きも語りもしないというのはさすがまずいでしょう。

 

ということで、まずいことを書き連ねてしまいましたが、序盤は、映像的にもたくさんいいなあと思ったことがあったのですがすっかり飛んでしまいました。

 

ラストは、ラウが4人を海に連れ込んでいったんでしたっけ? 4人がプカプカ浮かんでいました。

 

あのシーン、波の向きが逆じゃなかったですかね? 逆回し? の合成?

 

淵に立つ

淵に立つ

 

 

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