娼年

8割方セックスシーンのコメディのような映画

マジなのか、ふざけているのか、よくわからない映画です(笑)。

ほぼ全編とは言わないまでも8割方はセックスシーン、それも内容はほぼ AVネタですし、映像的にも、XXXXやXXXなんて AVでしかやっちゃいけないことでしょう(笑)。

ただ、笑えるんですよ。

多分、皆、この馬鹿げた映画をマジで作っているからだと思います。

(注)プッと吹き出したところが2ヶ所くらいあったのですが、誰も笑っている人はいませんでしたので、笑っていい映画じゃなかったかもしれません(笑)。

監督:三浦大輔

公式サイト

やけに女性客が多いなあと思いましたら、松坂桃李ファンだったんですね。こういう映画が一般映画として上映されることもそうですが、女性客が抵抗なく見に来られるということはいいことですね。

ただ正直、物語はダサいです(ペコリ)。

だって、人生も何もかもがつまらないと感じている男子大学生森中領(松坂桃李)が、会員制売春クラブを経営する御堂静香(真飛聖)に誘われるがままに女性相手の売春をおこない、次第に生きる実感を感じていくという話ですよ。

そりゃまあ、そういうこともあるかもしれませんが、そんな生きがい(とは言っていないけど)長続きなどしませんよ(笑)。

それに、「女性の欲望」という視点もあるようなことが公式サイトにも書かれていますが、映画でも小説でも男性の欲望は多様な形で描かれるのに女性の欲望がこうした性的なもので誇張されるというのは社会の歪みのあらわれです。

結局、男性目線の物語ということだと思います。

まあそれはともかく、映画の出来としても、さすがにこれだけ同じパターンのセックスが繰り返されますと飽きます。

まず最初は、静香に「あなたのセックスの実力を見せて(みたいなこと)」を言われて、てっきり母ほどの年の静香とやるのかとついていけば、娘と思しき若い咲良(冨手麻妙)とやることになり、ことを終えてみれば、「あなたのセックスの値段はこれだけ」と5,000円を突きつけられます。

この5,000円、その金額とその間合いには思わず(心の中で大笑いしつつ)ぷっと吹き出してしまいました。こういうところはうまい監督ですね。

で、最初の客がヒロミ(大谷麻衣)、初回はカフェで短い会話を交わしただけで「またね」と突然帰ってしまいますので、怒らせてしまったかと気にかける領ですが、まあそこは映画ですから、それは相手をじらせるテクニック、あれ? これ逆じゃないの? こういうテクニックを使うのが商売じゃないの、というのは置いておいて、即予約を入れておいて、次の日は、もう燃えに燃えてホテルに入る前からキスしまくりという展開です。

二人目はXXXとXXXXのどちらでしたっけ? 子供の頃のXXXXのXXが忘れられず、XXXXしないと興奮できない女性だったと記憶しています。

といった感じで、もう二人くらいに売春するのですが、それぞれセックスに至る導入、それが欲望だとすれば、それぞれ欲望は異なるのですが、結局最後はXXして、XXXXするという結構ありきたりの展開で、映画では領がセックス的に成長するようなことを言っていますが、ほぼやっていることは同じパターンで、あるいはそこらあたりが作りての狙いかもしれませんが、見ていても馬鹿馬鹿しくなってきます。

で、オチがどうなっているかと言いますと、冒頭に領が見る夢のシーンがあり、子供の頃、母親が「すぐに帰ってくるからおとなしく待っていてね」と言い残したまま帰ってこないということが語られています。

実際に、母親は路上で倒れてそのまま亡くなったということなんですが、領はそうしたマザー・コンプレックスを抱えているらしく、その思いが静香と重なったのか、領は静香に付き合ってくれと迫ります。領の真剣さ(なのかはよくわからないけれど)に静香の心も動くかと思われましたが、静香は拒絶します。

その後映画は、突然静香が警察に摘発され逮捕されたとなり、領に手紙が残されています。

そこには、自分がHIVウィルスに感染していること、昔売春をしていて感染したこと、咲良が自分の娘であること、そして、実は領の母親も娼婦であり、仕事に行く前だったか帰りだったかに路上で倒れて亡くなったことが記されていたのです。

何じゃこれ? という物語です。原作もこういう話なんでしょうかね?

ということで、女性の欲望云々という切り口をうたってはいますが、やっぱり男性目線の映画でした。

そうそう、あまりいい役は振られていませんでしたが、「最低。」の佐々木心音さんが出ていました。

何者

何者