ポルト

ポルトガルの古都ポルトの(特に夜の)街並みが美しい

監督のゲイブ・クリンガーさんは、「大学で映画学を教え批評家としても活躍するブラジル出身の新鋭。処女作でヴェネチア国際映画祭最優秀ドキュメンタリー賞を受賞、本作は長編劇映画初挑戦ながら、ジム・ジャームッシュがその稀有な才能に惚れこみ、製作総指揮を名乗り出た。(公式サイト)」という方です。

で、映画はと言いますと、男と女が出会い、一瞬で恋に落ち、愛し合うものの、女には恋人がおり、一夜の儚い愛に終わり、そして、何年か後、男はその一夜を忘れることができず未だ思い続けており、女は恋人との間に二人の子どもをもうけるも、ふとあの日を思い出す、というお話です。 

監督:ゲイブ・クリンガー

ジェイクは、ポルトで暮らす26 歳のアメリカ人。この地で臨時雇いの仕事を転々としている。マティは、考古学を学ぶ32 歳のフランス人留学生。視線が触れた瞬間、言葉を交わす間もなく惹かれ合ったふたりは情熱的な一夜を共にする。しかし女には恋人がいた。(公式サイト

といった、これまで数多く描かれてきたテーマですので、物語自体にはネタバレといったものもなく、ましてや極めてシンプルな話ですので、良い映画と感じるかどうかは、どれだけ心が揺さぶられるかしかないと思います。

その点では結構つらいですね。

出会いから別れを、男ジェイク(アントン・イェルチン)、女マティ(ルシー・ルーカス)、そして二人、と3パートで描いているのですが、ほとんど視点が変わらず、同じようなシーン繰り返されますので、くどさが先に立ってしまいます。

映画の作りとしてもうひとつ特徴的なのは、描かれる時間が二人が出会ったその日と何年か後の2つあり、出会ったその日をフィルムで言えばシネスコサイズ、何年か後をスタンダードサイズで撮っています。

その意図がよく伝わってこないですね。正直なところ、あざとい感じがしてしまいます。

こういう直情型ラブストーリーは、ただひたすら突っ走る熱情型か何か結末をつける悲劇型にするに限ります。

ところで、公式サイトに、「やがてふたりのすれ違いが決定的に思えたそのとき、ある奇跡が起こる……。」とか、「そのあまりの執拗さに悩んだマティによって留置所に入れられたジェイクは、絶望に打ちひしがれる。」と、私の記憶にない記述があるのですが、これ、私、寝落ちしていました?