そんなには褒めないよ。映画評

ミニシアター系映画レビュー*沈黙する言葉

映画タイトルの50音順メニュー作りました!

おすすめ映画直近の4作品

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ナチュラル・ウーマン

監督:セバスティアン・レリオ

(ネタバレ)ロッカーの中にあったもの、それはマリーナがマリーナであるためのもの

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花咲くころ

監督:ナナ・エクフティミシュヴィリ、ジモン・グロス

(ほぼネタバレ)1992年トビリシ、14歳エカとナティアの二人は確かにその時そこで生きていたという映画

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ソニータ

監督:ロクサレ・ガエム・マガミ

(ネタバレ)ドキュメンタリーとしての問題提起も含めオススメです

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汚れたダイヤモンド

監督:アルチュール・アラリ

(完全ネタバレ)ラスト10分のピエールの描き方が見事

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最新記事

映画「エイリアン:コヴェナント」(ややネタバレ)展開は1作目とそっくり、違いは創造主まで持ち出して行き詰まっていること

最近はほとんど SFを見なくなっていますが、突然「エイリアン」を見てみようと思いたち、あらためて思い返してみますと1作目は1979年公開だったんですね。

およそ 40年前ですよ!

それが未だにシリーズものとして作られ続けているというのは、単に時代性だけではなく何か人間存在に関わる本質的なものを持っているからなんでしょう。

そう言えば、リドリー・スコット監督、「ブレードランナー2049」の公開も間近です。「ブレードランナー」が公開されたのは1982年でした。

 

監督:リドリー・スコット

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謎のベールに覆われてきた“エイリアン誕生の秘密”を解き明かす物語だ。背景となるのは第1作『エイリアン』の20年前にあたる時代。人類の移住計画のために2000人の男女を乗せて地球を旅立ったコヴェナント号が航海中に大事故に見舞われる。修復作業中に奇妙な電波を受信したクルーは発信元の惑星を調査することに。しかし未知の惑星には、あの凶暴な生命体エイリアンをめぐる恐るべき秘密が隠されていた。(公式サイト

 

見ながら、ストーリー展開が第1作とそっくりじゃないの? と思っていたのですが、さすがに細かいところはほとんど記憶していませんので、今ウィキペディアなどみてみましたらやはりかなり似ています。

 

乗組員が眠った状態で宇宙船が航行している、途中で起こされる、奇妙な電波を受ける、その星に降り立つ、エイリアンに襲われる、宇宙船に乗り込もうとするエイリアンと女性主人公が戦う、エイリアンを宇宙へ放出しようと画策する、人間とアンドロイド(系)が対立する構図、ほぼ同じ展開です。

 

それだけ1作目が SFホラーとして完成度が高かったということなんでしょう。

 

で、何が違っているかについては、まずこの「エイリアン:コヴェナント」では、人類が作り出したアンドロイド(とは違う感じだが)が、新しい生物体、つまりエイリアンを創造することへの欲望を露わにし、人類に敵対しているということです。

 

デヴィッド(マイケル・ファスベンダー)がそうなんですが、なぜそうした欲望を持ち始めたかについては、冒頭でのデヴィッド誕生のエピソードで、デヴィッドを作り出した人物との対話シーンがあるのですが、正直抽象的でよくわからないです。どうやら、私は見ていない「プロメテウス」の人物と関係があるようです。

 

いずれにしても、アンドロイドが人格を持つという発想は、たとえば「ブレードランナー」でもそうですが、一体自分は何者なのだというアイデンティティの苦悩としてよく描かれるテーマですが、この映画ではそうした人間に近い感覚でのアンドロイドというよりも、すでに登場時から神的位置にいるアンドロイドとして描かれており、つまり創造主たらんとするデヴィッドなわけです。

 

そうした描き方を深読みしたところで意味はありませんし、おそらく作り手にしてもさほど哲学的な意味合いで作っているわけではないでしょう。

 

もうひとつ、この映画が1作目と大きく違っているところは、乗組員が全て(かどうかは確認していないが)が男女のカップルであることです。

 

1作目をフェミニズムの視点から、またエイリアンを男性器のメタファーとして読み解く見方はかなり一般的だと思いますが、その意味では確かにシガニー・ウィーバーのリプリーは時代を反映、また先取りする意味で、戦う女性という新しい価値観を提示していたと思います。

 

で、この映画の登場人物が全てカップルであることは何を意味するのでしょう?

 

ストーリー的には、コヴェナント号が植民船であるからということだとは思いますが、おそらくベースにはひとつ目の違いにあげた「創造」イコール「生殖」ということを全体的なトーンとして漂わせているのではないかと思います。

 

カップルとは言っても、もうすでにハリウッドの世界では男女を区別することはできなくなっていますので、日本映画に多い男尊女卑的な関係ではなく、ほぼ男女対等に、むしろこの映画で言えば、エイリアンは男性性なわけですから、やはり正面切って戦うのは女性ダニエルズ(キャサリン・ウォーターストン)ということになるのだと思います。

 

ただ、時代性なのでしょう、リプリーからみればとんがったところのないダニエルズではあります。

 

ということで、ある程度楽しむことは出来た映画ではありますが、もうそろそろ新しい視点の SF映画が登場してもいいころだとは思います。

 

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