そんなには褒めないよ。映画評

ミニシアター系映画レビュー*沈黙する言葉

映画タイトルの50音順メニュー作りました!

当サイトおすすめ映画直近の4作品

f:id:ausnichts:20171107173309j:plain


汚れたダイヤモンド

監督:アルチュール・アラリ

(完全ネタバレ)ラスト10分のピエールの描き方が見事

>>

f:id:ausnichts:20170918200754j:plain


あさがくるまえに

監督:カテル・キレヴェレ

(ネタバレしても問題ない)のでよく知って見るべし。シンプルなのに情感豊か。

>>

f:id:ausnichts:20170816183630j:plain


ブランカとギター弾き

監督:長谷井宏紀

(ネタバレ)映画はシンプルなのに物語は深い

>>

f:id:ausnichts:20170627135431j:plain


残像

監督:アンジェイ・ワイダ

アンジェイ・ワイダ監督の遺作、心に残る映画です!

>>
最新記事

「ハートビート/マイケル・ダミアン監督」 ヒップホップ、バイオリン演奏、バレエ、アイリッシュダンス、各種混合パフォーマンスバトルがカッコいい!

パフォーマンスバトルもの、とでも言えばいいのでしょうか、ヒップホップダンスのバトル、バイオリン演奏のバトル、そしてラストは、やや「バトル」という言葉とはニュアンスが異なり、弦楽器&ダンスのコンペティションではありますが、そうしたバトルシーンが見どころの映画です。

何かに打ち込む主人公がいて、強敵となるライバルがいて、コンテストであれバトルであれ、何らかの形で競いあい、最後は主人公が勝つというのは、ストーリー展開の定型であり王道です。 

f:id:ausnichts:20160827111543j:plain

プロのバレエダンサーをめざすルビーは、ある日、地下鉄で演奏するイギリス人バイオリニストのジョニーと出会う。二人は惹かれ合っていくが、ジョニーは大切なバイオリンを盗まれた上、グリーンカード詐欺にあってしまう。二人は、ヒップホップダンスチーム“スイッチ・ステップス”を誘い、お互いの夢を叶える為、“弦楽器&ダンスコンクール”に出場することになる・・・。(公式サイト


ですので、予告編とストーリーを見ればほぼ予想できる内容ではあるのですが、むしろこうした映画はセオリー通りにつくり、後はテンポとカッコよさで見せたほうがいいようで、その意味で成功している映画です。

 

テンポという点では、冒頭からの30分から1時間弱くらいだと思いますが、ニューヨークという街の空気、登場人物の紹介、これから何が起きるかなどを、流れるような編集と音楽で軽やかに見せていきます。

その中には地下鉄のホームでのヒップホップダンスのバトルが入っており、かなりカッコいいです。

駅に到着した地下鉄から降りてくる黒ずくめの集団、パーカーのフードを被り、やや危ない雰囲気の彼らは、ルビー(キーナン・カンパ)にも軽くちょっかいを出し、何が起きるのかと思っていますと、地下鉄の工事(運行している地下鉄でなぜ工事?は置いておいて)をやっていた作業員の集団が、何だ、何だと集まり始め、その二組でダンスバトルが始まります。

実際にそうしたことがあるわけではないでしょうが、いかにもニューヨーク!といった感じです。

 

バイオリン演奏のバトルもあります。

ルビーの学校で学ぶバイオリニスト、名前は忘れましたが、恵まれた環境で育ち、才能もある男のパーティーに招待されたルビーの前で、ジョニー(ニコラス・ガリツィン)とバトルを繰り広げます。互いの弓をフェンシングのようにチーンと合わせるカットなども入れて笑いを取っていました。

この演奏バトルの前、ルビーとジョニーのタンゴもカッコ良かったですね。なぜ二人がタンゴ?と思われた方は是非映画をご覧ください(笑)。

 

パブでのバトルもありました。

客なのか、従業員なのかは分かりませんが、数人の女性たちがテーブルの上でアイリッシュ・ダンスを始めますと、ルビーたちは、それに対抗して、「四羽の白鳥」を踊り始めます。

正直、これはバレエの完敗でしょう。パブにバレエは合いません(笑)。

 

という中盤までは快調でしたが、さすがに延々とバトルというわけにもいかないと思ったのか、ルビーとジョニーの恋愛ものや同級生との学園ものになりますと中だるみします。

 

まあそれも、ラスト、ルビーとジョニーのコンテンポラリーダンス&バイオリン&ヒップホップのパフォーマンスで盛り上げるためのものだと思えば我慢はできます。

ああ、書き忘れていますね。

最後のパフォーマンスで共演するこのヒップホップグループは、ジョニーが借りている部屋の下に住んでいる「スイッチ・ステップス」というダンサーたちで、実はこのダンサーたちがいなければこの映画が成り立たない、あるいは途端につまらなくなるというくらい重要な存在なのです。

ラストのダンスにも、その一人とルビーのデュエット(パ・ド・ドゥ?)が少し入っていましたが、もっとたっぷり入れても良かったのではと思います。あるいは、ルビーを演っているキーナン・カンパが、映画の中と同様にコンテンポラリーが苦手なのかもしれません。

 

それともうひとつ、前半の流れるようなカメラワークと編集を思えば、このラストのシーンのそれはかなり物足りなかったです。そもそもの舞台演出が、サス(上からのスポットライト)や煙(スモーク)ってのは20年くらい前のセンスじゃないかと思います。

 

ジョニーを演っていたニコラス・ガリツィンさん、期待です。1995年生まれですから、まだ21歳ですね。

 

キーナン・カンパさん、ルビーのルームメイト、ジャジー役のソノヤ・ミズノさんはユニクロの CM に出演している人ですが、どちらも期待できる俳優さん、そしてダンサーです。