そんなには褒めないよ。映画評

ミニシアター系映画レビュー*沈黙する言葉

映画タイトルの50音順メニュー作りました!

当サイトおすすめ映画直近の4作品

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汚れたダイヤモンド

監督:アルチュール・アラリ

(完全ネタバレ)ラスト10分のピエールの描き方が見事

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あさがくるまえに

監督:カテル・キレヴェレ

(ネタバレしても問題ない)のでよく知って見るべし。シンプルなのに情感豊か。

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ブランカとギター弾き

監督:長谷井宏紀

(ネタバレ)映画はシンプルなのに物語は深い

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残像

監督:アンジェイ・ワイダ

アンジェイ・ワイダ監督の遺作、心に残る映画です!

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最新記事

「軽蔑/中上健次」を映画にするなんて!?

意図的なんだろうとは思いますが、シーンが変わっているのに段落が変わらないとか、主語が分かりにくいなど、すんなりとは読ませてくれません。集中力を要求されます。

それだけに読み応えもあり、人の心の奥底をのぞき見たような不思議な感覚にとらわれます。「軽蔑/廣木隆一」は監督自身が傍観者? - そんなには褒めないよ。映画評にも書きましたが、ストーリーで読ませる本ではありません。当たり前ですね、中上健次なんですから…。

それに、この小説を「純愛」なんて括りで宣伝したりするのは相当無理があります。一貫して「真知子」の主観で語られますので、カズさんへの愛情も、「真知子」がとことん愛していると自ら思い、思い込んでいる以上には定かではなく、実際に一緒に暮らしながらも、真知子は他の男と寝たりしますし、カズさんが死んだ後も、復讐に向かった先でその相手と寝たりします。

ただ、そのことで、それが純愛でないとか言いたいのではなく、そもそも一般的に言う「純愛」がどうこうというレベルの話ではなく、人を愛することの不確かさ、さらに言えば生きることの不確かさの次元の話だと思います。まあ言うなれば、この小説は、「真知子」が見た幻影のような話なわけで、それは、冒頭が、真知子の踊るトップレスバーへカズさんが警察のガサ入れを装って襲い、真知子を連れ出すシーンから始まり、ラストが、再びダンサーに戻った真知子が本物のガサ入れにあい、まるで幻を見るように、自分の手を取る男に向かい「嘘」と言葉を発するところで終わることでもはっきりしています。

再度、映画の話に触れますと、そもそもこの本を読んで、映画化を思い立った理由が分かりません。どう考えても、現在、この真知子を演じられる俳優がいるとは思えません。いやいるかも知れませんが、仮にいたとしても、多分その俳優では興行的に成立しないでしょう。

というわけで、あんな映画になってしまったということでしょう。