そんなには褒めないよ。映画評

ミニシアター系映画レビュー*沈黙する言葉

映画タイトルの50音順メニュー作りました!

おすすめ映画直近の4作品

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ナチュラル・ウーマン

監督:セバスティアン・レリオ

(ネタバレ)ロッカーの中にあったもの、それはマリーナがマリーナであるためのもの

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花咲くころ

監督:ナナ・エクフティミシュヴィリ、ジモン・グロス

(ほぼネタバレ)1992年トビリシ、14歳エカとナティアの二人は確かにその時そこで生きていたという映画

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ソニータ

監督:ロクサレ・ガエム・マガミ

(ネタバレ)ドキュメンタリーとしての問題提起も含めオススメです

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汚れたダイヤモンド

監督:アルチュール・アラリ

(完全ネタバレ)ラスト10分のピエールの描き方が見事

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最新記事

海炭市叙景

名古屋では、まもなく、今週末からだったと思うが、公開される予定の「海炭市叙景」を見るに先だって、原作を読んでいる。残り2,3章(正確には、章ではなく節)、今日中には読み終えることになりそうだ。

第1章第1節の「まだ若い廃墟」は、かなり印象的だ。炭鉱を解雇された失業中の兄と妹が、正月、初日の出を見るために、わずか389メートルだが、山に登る。行きはロープウェイ、しかし、帰りは、お金がないために、妹だけロープウェイに乗せて、兄は歩いて下りる。外は雪である。そして、妹は、戻らない兄を、麓で一日中待ち続ける。遭難の不安と無事に戻るだろう期待を胸に抱きながら。

そして、その結末は、第2節「青い空の下の海」の中、全く別の人物の話の中で知らされる。

そうやって読み進むうちに、何か変だ、全ての節が全く違う話ではないか、これはこの兄妹の話ではないのか、と不思議に思い、半ば気づいてはいたのだが、少し情報収集してみると、やはり、短編を1冊にまとめたものらしい。1988年から1990年にかけて、文芸雑誌(何だろう?)に連載された18編を1991年に単行本として発売したもののようだ。とはいっても、全て、海炭市に暮らす寄る辺ない(精神的な意味も含め)人々を主人公に書いており、不思議な統一感を持った連作になっている。

佐藤泰志という作家のことはよく知らなかったが、1990年に41歳で自死を選んでいる。この「海炭市叙景」は、自らが生まれ育った函館市をモデルにした遺作であり、まとめて手を入れる構想があったかどうか分からないが、未完と書いている人もいる。

さて、この小説を、どう映画にしたんだろう? 楽しみだ。