そんなには褒めないよ。映画評

映画を見てから読むブログ

「ハッピーエンド」(ネタバレ)85歳と13歳、救いのないふたつの「死」

ミヒャエル・ハネケ監督はどうやら「死」に取り憑かれているようです。 前作「愛、アムール」に引き続き「死」について語っています。むしろ、この映画の方が「愛」がない分、より「死」に向かっているように思います。 Facebook やチャットなどの現代のコニ…

「シェイプ・オブ・ウォーター」(ネタバレ)偏見や差別をはねのけることができるのは、やはり「愛」

この映画、アカデミー賞の13部門でノミネートされているそうですが、主演女優賞のサリー・ホーキンスさんは是非とも受賞してほしいですね。おそらく、彼女でなければ映画そのものがこの出来にはならなかったでしょう。 もうひとり目立つのが悪役をやっている…

「The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ」(ネタバレ)欲望なき縺れ、殺意なき殺人

昨年2017年のカンヌで監督賞を受賞しています。 ソフィア・コッポラ監督の映画は、「ロスト・イン・トランスレーション」「マリー・アントワネット」「SOMEWHERE」と見ていますが、どれも(私には)全然ダメで良さが全くわかりません(ペコリ)。 今読み返し…

「ナチュラル・ウーマン」(ネタバレ)ロッカーの中にあったもの、それはマリーナがマリーナであるためのもの

むちゃくちゃ力強い映画です。 最近やたら耳にする、特にオリンピックシーズンでしたので毎日のようにテレビから流れてくる「勇気をもらう」という言葉を(嫌いだけど)あえて使えば、これほど「勇気をもらえる」映画、そして人物はいないでしょう。 映画の…

「苦い銭」日々作られる爆買いイメージに隠された(もうひとつの)中国を知る

ドキュメンタリーなんですが、2016年ヴェネチアのオリゾンティ部門脚本賞(Best Screenplay)を受賞したという映画です。 一般的な感覚からしますとドキュメンタリーに脚本ってあるの?と思いますが、ドキュメンタリーだって、どう構成しどう見せるかという…

「リバーズ・エッジ」(原作知らずの斜め読みネタバレ解説)40代のノスタルジー

岡崎京子さんについてもこの映画の原作についても何も知らない者のレビューです。今、公式サイトとウィキペディアを読んだ程度です。 それにしても最近の日本映画は、漫画が原作とかアニメの実写とかが多くなっている印象です。元となるものが、形は違っても…

「ゆれる人魚」(ネタバレ)ポーランド発、ややホラー、やや純愛、ややミュージカルなファンタジー映画

面白いのか面白くないのか、洒落ているのかダサいのか、ユニークなのかありきたりなのか、あらゆる点で判断に迷う映画です(笑)。 ポーランドのアグニェシュカ・スモチンスカ監督の長編デビュー作とのことです。 今ではヨーロッパで製作される映画をどの国…

「花咲くころ」(ほぼネタバレ)1992年トビリシ、14歳エカとナティアの二人は確かにその時そこで生きていたという映画。

この映画、2013年の製作で、その年の東京フィルメックスで最優秀作品賞を受賞している映画です。 とてもいい映画で私はお勧めしますが、こうしたやや地味とも言える映画の公開は難しいのでしょう。まさかジョージア出身の栃ノ心が優勝したタイミングを見計ら…

「The PROMISE 君への誓い」(ネタバレ)ホテル・ルワンダの監督が史実をベースに架空の人物を据えてアルメニア人大虐殺を描く

アルメニア人大虐殺のことを知ったのはいつだったんでしょう? 2年くらい前に見たファティ・アキン監督の「消えた声が、その名を呼ぶ」の頃にはもう知っていましたので、それよりも前、いずれにして映画からでしょう。 150万人が犠牲になったとも言われるオ…